光学式エンコーダのよくある質問 (FAQ)
全般
スケールやリードヘッドのクリーニングには、どのような溶剤を使用できますか?
推奨するクリーニング剤は、使用しているエンコーダシステムによって異なり、システムのインストレーションガイドに詳細を説明しています。
テープスケールを剥がして再利用することは可能ですか?
いいえ、一旦スケールを外すと、両面テープの粘着性が失われます。また、スケールを剥がすことで、スケールを損傷したり、その計測性能に影響を及ぼしたりすることがあります。
レニショーリードヘッドのコネクタのピン出力は?
アナログやデジタル出力のリードヘッドとインターフェースに使用される一般的な D サブ 15 ピンコネクタのピン出力を、可能な限り標準化しています。さらに、その他のタイプのコネクタも、できる限り業界標準のピン出力にしています。レニショーエンコーダシステムのピン出力は、各システムのインストレーションガイドに記載してあります。
レニショーエンコーダには、オス型およびメス型のコネクタが使用されていますか?
原則として、エンコーダからのインクリメンタル信号の出力にオス型コネクタを使用し、エンコーダからのインクリメンタル信号の受信に (中間インターフェースなどで) メス型コネクタを使用しています。コネクタタイプ、およびオス型またはメス型のどちらを使用しているかは、システムのインストレーションガイドをご覧ください。
クロック出力のデジタルエンコーダシステムで、論理スピードと達成可能な最大スピードに差があるのはなぜですか?
クロック出力システムには、受信側機器の推奨カウント周波数として、クロック周波数を記載しています。これは、安全係数が加算されているために、エンコーダの実際のクロック出力周波数より大きくなります。この安全係数は、クロックオシレータ公差、ラインドライバ、ケーブルとライン受信機スキュー、周期誤差、ジッタを考慮しています。これらの要因はすべて、論理上完璧なシステムに対して計算されるインクリメンタル信号の最低エッジ間隔を低下させる原因になります。
例えば、20MHz の Ti TONiC™ インターフェースの実際のクロック出力は 15MHz で、分解能 0.1µm のエンコーダでは最大スピードが 1.35m/s になります。このシステムの論理上の最大スピードは 1.5m/s ですが、上のような理由からこのスピードは実現できません。
エンコーダのクロック出力に関係なく、アナログ信号の帯域幅によっても、最大速度が上限に制限されることになります。TONiC システムでは、この上限が 10m/s です。
エンコーダが正確に機能しているかどうかを確認するには、どうしたらよいですか?
エンコーダは、リードヘッドやインターフェースにセットアップ LED が内蔵されています。この LED でリードヘッドの電源の状態と、エンコーダセットアップの水準を確認できます。具体的なシステムの詳細については、インストレーションガイドを参照してください。
リードヘッドケーブルの外部および内部シールドをシングルシールドの延長ケーブルに接続するには、どうしたらよいですか?
下図のように、リードヘッドケーブルの内部シールドは、中間コネクタ内の 0V ラインに接続し、リードヘッドケーブルの外部シールドは、コネクタの (金属製/伝導性) シェルを介して、延長ケーブルのシールドに接続する必要があります。外部シールドは、コネクタ周囲のリードヘッド本体から客先機器まで連続遮蔽層を形成する必要があります。
1.リードヘッド
2.内部シールド
3.外部シールド
4.コネクタ
5.シングルシールドの延長ケーブル
6.接続機器
7.出力信号
リードヘッドケーブルの屈曲寿命は?
すべてのリードヘッドケーブルの屈曲寿命は、>20×106 サイクルでテストが行われています。
ケーブルの直径に応じて、ケーブルの屈曲寿命は 20mm か 50mm の曲げ半径でテストされています。各エンコーダシステムのインストレーションガイドを参照してください。
レニショーのリードヘッドケーブルは、ケーブルを曲げる必要があるロボットへの使用に適していますか?
リードヘッドケーブルの最小曲げ半径 (それぞれのデータシートを参照) を超過しない限り、ケーブルの屈曲寿命は 2,000 万回となっています。なお、ケーブルは全長にわたって回転させる (ひねる) ような用途を前提として設計されていません。UHV リードヘッドケーブルは、損傷を避けるために、曲げないようにすることを推奨します。
「クロック出力周波数」とは何ですか?また、どうしたら適切なクロック周波数を選択できますか?
「クロック出力周波数」により、エンコーダが出力できる最大周波数を制限します。出力周波数を制限しないと、最大入力周波数を超過した場合に、受信側機器で誤カウントが発生します。これは、エンコーダが静止状態 (または超低速での移動中) に、出力状態が急速に変化することが考えられる状況で特に重要です。クロック出力周波数は、受信側機器の最大入力周波数以下に設定する必要があります。なお、入力周波数よりも大幅に低いクロック周波数を選択した場合は、エンコーダの最大スピードが制限されます。
信号の歪みを伴わない延長ケーブルの最大長は?
具体的なシステムの延長ケーブル長については、インストレーションガイドを参照してください。
レニショー光学式エンコーダの MTBF (Mean Time Before Failure: 平均故障寿命) は?
後述の RGH24/RGH25 リードヘッドの信頼性の例を参照してください。
MTBF (M) = pt÷n
記号の意味:
p: 取り付けたリードヘッドの数
t: 平均使用期間
n: 合計関連故障数
当社の記録 (年間生産値と故障データ) では、リードヘッドの継続使用時の MTBF は 2,013 年間です。
具体的な例としては、28 台の 3 軸機を使用している場合、リードヘッドの取付け数 (p) は 84 です。リードヘッドの故障 (n = 1) の平均間隔 (t) は、MTBF の式を変更することで算出できます。
t = Mn÷p = (2,013 年×1)÷84 = 約 24 年
従って、1 日 24 時間使用するリードヘッドが合計 84 個ある場合、1 個のリードヘッド故障が 24 年ごとに発生するものと推定できます。
この情報は製品の信頼性を保証したり、保証条件を示すものではありません。
レニショーの他のエンコーダシリーズの MTBF データについては、レニショーまでお問い合わせください。
ディスクスケールの取付け面として推奨しているハブの接着断面は、なぜインストレーションガイドに記載されているような構造をしているのですか?
推奨の断面構造にすることで、接着剤が広範囲の温度変化に対応できるようになります。また、ハブの取付け面にディスクを正確に配置できます。
レニショーエンコーダシステムのキャリブレーションを行う必要はありますか?
パフォーマンスを最適化するために、ATOM™、TONIC™、VIONiC™ および QUANTiC™ についてはキャリブレーションを行う必要があります。
スケール
レニショーでは、どのような種類の光学式スケールを用意していますか?
光学式エンコーダのスケールシリーズについての Web ページをご覧ください。
インクリメンタルスケールピッチ (周期) は何を基準に選択すればよいですか?
インクリメンタル光学式エンコーダシステムのスケールピッチには、20µm と 40µm があり、システムごとに選定します(一般的に、スケールピッチが大きいと、取付け公差が広くなり、高速になります。スケールピッチが小さいと、分解能が高くなり、周期誤差が低下します)。
角度位置決め用エンコーダの目盛精度、システム精度、取付け精度には、どのような違いがありますか?
目盛精度は、製造時にリングに刻まれた目盛りの精度です。
システム精度は、目盛精度にリードヘッドの周期誤差を加えたものです。
取付け精度は、作動軸に取り付けたエンコーダに期待できる精度です。これにはシステム精度が含まれますが、主にリング/ディスクの偏心などの他の要因からも影響を受けます。
小さなリング/ディスクの場合は、取付け精度に影響を及ぼす最も大きな要因は偏心です。システムによっては、システム精度または取付け精度のいずれかの仕様を記載しています。また、リングの校正証書には、インストレーションガイドに記載された推奨ガイドラインに従って取り付けた場合の平均的な取付け精度のグラフを示しています。使用時のアドバイスについては、レニショーまでお問い合わせください。
レニショーは、ファインピッチのスケールを使用するインクリメンタルエンコーダシステムを製造していますか?
当社では、スケールピッチ 20µm および 40µm のインクリメンタルエンコーダを製造しています。当社が製造するエンコーダよりも細かいピッチのエンコーダシステムも市場にはありますが、ピッチが細かければ全体的なパフォーマンスが高まるというわけではありません。ピッチが細かくなるほど、セットアップの複雑化、速度への制限、汚れに対する耐性の低下が伴う場合があります。レニショーの多くのエンコーダシステムは、効果的なインクリメンタル信号処理技術を使用することで、細かいピッチのシステムに匹敵する精度と周期誤差を実現しています。
パーシャルアークには、どのスケールが適していますか?
パーシャルアークには、RKL シリーズを推奨します。RKL スケールは、薄くて曲げやすいスケールのため、他のテープスケールよりも、パーシャルアークの取付けが簡単で高精度を確保できます。
パーシャルアークには、どのような取付け面を使用できますか?
アルミニウム、スチール、チタンといった、熱膨張率 8~24ppm/℃の金属面を使用できます。他の材料については、レニショーまでお問い合わせください。
規格準拠について
レニショーの光学式エンコーダとスケールは、RoHS 規格に準拠していますか?
はい。規格準拠証明書についての Web ページをご覧ください。
レニショーの光学式エンコーダとスケールには、紛争地域から産出された鉱物が使用されていますか?
規格準拠証明書についての Web ページをご覧ください。
レニショーの光学式エンコーダとスケールは、EU の法律 (CE 規格適合宣言) に準拠していますか?
はい。規格準拠証明書についての Web ページをご覧ください。
アブソリュート
インクリメンタルエンコーダに比べて、アブソリュートエンコーダにはどのような利点がありますか?
インクリメンタルエンコーダよりもアブソリュートエンコーダを使用する主要理由としては、機械始動時のプロセスがあります。インクリメンタルエンコーダを搭載した軸は、通常、リファレンスマークを検出して、基準または原点を確立する必要があります。一方、レニショーのアブソリュートエンコーダは、電源を ON した時点で、軸を移動しなくても、直ちに正確な位置を確立します。多軸機では、特に軸が直角に交差していない場合や、ペイロードが高感度であるか壊れやすい場合は、リファレンスマークの検出が困難です。
このような場合、アブソリュートエンコーダであれば、モータ整流用に別のエンコーダシステムが多くの場合不要になります。絶対位置を判断するための移動が不要なため、同じエンコーダをモーションフィードバックとモータ整流に使用できます。
さらに、インクリメンタルエンコーダでは、スピードと分解能の間で兼ね合いを取る必要があり、これによりインクリメンタル軸の性能が制限されます。レニショーのアブソリュートエンコーダではこの問題が克服されています。必要なタイミングで位置情報を取得できるため、高速移動軸で高分解能のインクリメンタル信号を送信するために求められる非常に高い帯域幅が不要です。例えば、RESOLUTE は最高速度 100m/s の軸で、分解能 1nm のフィードバックを提供できます。インクリメンタルエンコーダで同等の性能を得るには、100GHz の帯域幅が必要です。
RESOLUTE エンコーダシステムは SSI プロトコルに対応していますか?
RESOLUTE は SSI に対応していません。SSI は、データの整合性チェックに対応していない、非常にシンプルなシリアル通信プロトコルです。SSI の代わりに、RESOLUTE は「BiSS® C 単一方向」という同等のプロトコルに対応しています。BiSS C もシンプルなプロトコルですが、レポート誤差と警告情報が追加されており、CRC (巡回冗長検査) により位置決めデータの損傷を保護することで、予期せぬ軸移動のリスクを回避します。
インクリメンタル
VIONiC と TONiC にはどのような違いがありますか?
下表に、レニショーの小型インクリメンタルエンコーダ製品の主な特徴の違いを示します。
機能 | VIONiC | TONiC |
出力 | リードヘッドから分解能 5µm~20nm のデジタル信号を出力 | アナログ 1Vpp のみ。 |
周期誤差 | 平均 <±15nm | 平均 <±30nm |
ジッタ | 1.6nm 以下 | 0.7nm 以下 |
最高速度 | 12m/s | 10m/s |
レニショーは、ファインピッチのスケールを使用するインクリメンタルエンコーダシステムを製造していますか?
当社では、スケールピッチ 20µm および 40µm のインクリメンタルエンコーダを製造しています。当社が製造するエンコーダよりも細かいピッチのエンコーダシステムも市場にはありますが、ピッチが細かければ全体的なパフォーマンスが高まるというわけではありません。ピッチが細かくなるほど、セットアップの複雑化、速度への制限、汚れに対する耐性の低下が伴う場合があります。レニショーの多くのエンコーダシステムは、効果的なインクリメンタル信号処理技術を使用することで、細かいピッチのシステムに匹敵する精度と周期誤差を実現しています。
CAL と AGC の役割は何ですか?
CAL はシステムキャリブレーションルーチンを指し、リードヘッドをセットアップし、インクリメンタル信号とリファレンスマーク信号を最適化するために不可欠な操作です。キャリブレーション設定はローカルメモリに保存されるため、電源の OFF/ON を行った直後でも最適なパフォーマンスを発揮できます。各種インターフェースには、それぞれ独自のキャリブレーション手順が必要です。
レニショーの高性能インクリメンタルエンコーダシリーズには、エンコーダの光源の駆動電流を制御することで、フォトディテクタ上の平均反射入射光を維持する制御ループである、DC ライトサーボが搭載されています。DC サーボは温度変化、スケールの汚れ、スケールの反射性の変化、IRED の老朽化の影響を効果的に排除します。
AGC (オートゲインコントロール) は、インクリメンタルエンコーダ信号の AC 要素を測定して、DC ライトサーボのターゲットを調整する制御ループです。スケール上の油や指紋といった、リードヘッドの AC 性能に影響を与える要因の補正に使用できます。1Vpp の出力信号振幅を維持するのに有効です。AGC は、必要に応じて切り替えられます。
どのようなケースでも、最適なパフォーマンス (システムの最も広い動的範囲) は、エンコーダシステムの取付け状態の最適化で得られます。
CAL および AGC は QUANTiC、VIONiC、TONiC および ATOM に搭載されています。
インクリメンタルエンコーダ信号には、どの程度のポジション (時間) 遅延がありますか?
インクリメンタルエンコーダシステムの時間遅延は、出力形式、光学ステージ、アナログ/デジタルエレクトロニクスステージ、ラインドライバ/受信機、ケーブル設計/長さなど、多くの要因に依存します。数値は明確化できていますが、文書化は難しいため、具体的なアドバイスについては、レニショーまでお問い合わせください。
アブソリュート: EVOLUTE™
EVOLUTE と RESOLUTE にはどのような違いがありますか?
EVOLUTE と RESOLUTE は、いずれも現在レニショーが提供しているアブソリュートエンコーダシリーズです。下表に、技術面での差異を記載します。
機能 | EVOLUTE | RESOLUTE |
分解能 | 50、100 または 500nm | 1、5 または 50nm |
精度 | ±10µm/m | ±5µm/m (RTLA) |
周期誤差 | ±150nm | ±40nm |
ジッタ | ≤10nm RMS | ≤10nm RMS |
取付け高さ (公差) | 0.8±0.25mm | 0.8±0.15mm |
ヨー (公差) | ±0.75° | ±0.5° |
ピッチ (公差) | ±0.5° | ±0.5° |
ロール (公差) | ±0.5° | ±0.5° |
EVOLUTE シリーズはどのような用途に推奨されますか?
EVOLUTE シリーズは、広い取付け公差を備えたアブソリュートエンコーダで、微調整を行わなくても短時間で簡単に取り付けられます。そのため、コンポーネントの取付け時間を短縮することで生産リードタイムを短縮し、最終的に採算性を高められるため、機械の組立て時間が重要な、量産 OEM の用途に最適です。
EVOLUTE シリーズはどのプロトコルに対応していますか?
EVOLUTE エンコーダは BiSS C、Mitsubishi (J4 シリーズのサーボドライバと工作機械用 MDS-D2/DH2/DM2/DJ ドライバ) および Yaskawa (Sigma-5/Sigma-7 SERVOPACK) の各シリアル通信プロトコルに対応しています。
インクリメンタル: QUANTiC™
QUANTiC にはどのスケールを使用できますか?
QUANTiC には、IN-TRAC 双方向オプティカルリファレンスマークを配置した RTLC40-S ステンレススチールテープスケールと RTLC40/FASTRACK™ を使用できます。
QUANTiC シリーズはどのような用途に推奨されますか?
QUANTiC は非常に広い取付け公差、超コンパクトさ、そして高い測定精度を備えており、メーカーやシステムインテグレータ向けに設計されています。QUANTIC エンコーダの主要な使用場面として挙げられるのは、取付けの簡単なシステムが求められるステージ製造です。デッドレコニングの可能性も期待でき、取付け時間を短縮して処理量を高められます。また、多軸システムや半導体製造の他、軸の長い用途にも使用できます。
高度診断ツールにはどのような利点がありますか?
QUANTiC シリーズは ADTi-100 とこのツールに付属の無償ソフトウェア ADT View に対応しています。これらを使用して、QUANTiC リードヘッドのセットアップ、キャリブレーションルーチンの制御およびモニタリング、そして現場でのトラブルシューティングと診断を行えます。また、高機能なグラフィック機能、信号強度対位置プロットの自動作成機能、リサジュプロット、DRO 出力、リードヘッドピッチの表示などもできます。
詳細については、www.renishaw.jp/adt をご覧ください。
インクリメンタル: VIONiC™
VIONiC と TONiC にはどのような違いがありますか?
下表に、レニショーの小型インクリメンタルエンコーダ製品の主な特徴の違いを示します。
機能 | VIONiC | TONiC |
出力 | リードヘッドから分解能 5µm~2.5nm のデジタル信号を出力 | アナログ 1Vpp のみ。 Ti、TD、DOP インターフェースとの接続時に、5µm~1nm の RS422 デジタル信号を出力 |
周期誤差 | 平均 <±15nm | 平均 <±30nm |
ジッタ | 1.6nm 以下 | 0.7nm 以下 |
最高速度 | 12m/s | 10m/s |
VIONiC にはどのスケールを使用できますか?
IN-TRAC™ 双方向オプティカルリファレンスマークを配置した RTLC-S ステンレススチールテープスケール、RTLC/FASTRACK™、REXM 超高性能角度位置決め用スケール、RSLM ステンレススチールスケール、RELM 高精度/低膨張/高安定スケール、および RESM リングスケールを使用できます。
高度診断ツールにはどのような利点がありますか?
高度診断ツールでは、VIONiC と QUANTiC のセットアップとキャリブレーションルーチンを制御してモニタリングできます。また新機能として、グラフィック機能の拡張、信号強度対位置プロットの自動作成機能、リサジュプロット、DRO 出力、リードヘッドピッチの表示などを備えています。高度なリモートキャリブレーションを実現できるため、工場の生産ラインに取り付けて使用するのに理想的です。詳細については、www.renishaw.jp/adt をご覧ください。
VIONiC シリーズはどのような用途に推奨されますか?
VIONiC は、周期誤差、ジッタ、精度において同等のクラスをリードする性能を保持しつつも、システムの高性能化とコンパクト化を両立できるよう設計されています。VIONiC の主要用途としては、位置が安定するまでの時間を短縮し、一定の速度での移動を実現するために、コントローラの高ゲインと高帯域幅が必要になるリニアモータが考えられます。速度誤差は、エンコーダ出力の誤差によって引き起こされ、さらにコントローラのゲインによって増大します。VIONiC を採用することで、リニアモータにおける速度 (トルク) リップルに対してベストなエンコーダシステムを実現できます。この他にも、平行移動ステージ、多軸プラットフォーム、収納式大型 DDR モータ、半導体、医療機器に加えて、スペースが限られる性能要求の厳しい用途などが考えられます。
インクリメンタル: TONiC™
TONiC のインターフェースは、機械やコントローラのキャビネットにどのように機械的に接続できますか?
TONiC のインターフェースは、ロッキングポストを装着したパネル取付けの D サブ 15 ピン入力コネクタ (メス) に直接接続できます。この入力コネクタ (メス) と標準的な D サブ 15 ピンコネクタ (オス) は、サイズが同等です。もしくは、2 本の M4 ねじを使用して取付け面に TONiC インターフェースを固定するためのシンプルなブラケットをレニショーから購入も可能です。パーツ No. は A-9690-0015 です。
インクリメンタル: ATOM DX™
ATOM DX にはどのスケールを使用できますか?
RTLF ステンレススチールテープスケール、RCLC ガラススケール、RCDM ロータリガラスディスク、CENTRUM™ CSF40 ステンレススチールディスクを使用できます。
ATOM DX の上面接続タイプのコネクタは何ですか?
JST 10 ピンで、はめ合わすコネクタは 10SUR-32S です。
上面接続タイプ用のケーブルをレニショーから購入できますか?
はい。コネクタタイプとしては D サブ 15 ピンと JST 10 ピン (SUR) の 2 種類、長さとしてはそれぞれに、0.5、1、1.5 および 3m の 4 種類を用意しています。パーツ No. については、ATOM DX データシートを参照してください。
インクリメンタル: ATOM™
ACi インターフェースを使用する場合は、どのようなことを考慮する必要がありますか?
ACi インターフェースは、ユーザー側で組み込む設計になっており、筐体がありません。優れたパフォーマンスを確保するには、ユーザー自身で適切なシールド (感受性の低減と RF の放出抑制のため) を行い、ケーブルスクリーンと電気的かつ機械的に接続する必要があります。一般的には、シールドを FG (フィールドグラウンド) に接続した場合に、最高のパフォーマンスを確保できます。
ATOM に使用するインターフェースは何を基準に選択すればよいですか?
ATOM に使用するインターフェースは、多くの要素を検討する必要があります。主に、分解能、システム最高速度、周期誤差、インターフェースサイズなどがあります。下表に、これら要素の比較を記載します。
インターフェースタイプ | 分解能 | 最高速度 | 周期誤差 | インターフェースサイズ (長さ×幅×厚さ) | |||
Ti | 5µm~1nm | 10µm~2nm | 10m/s | 20m/s | <±50nm | <±100nm | 67mm×40mm×16mm |
Ri | 5µm~0.5µm | 10µm~1µm | 10m/s | 20m/s | <±100nm | <±150nm | 52mm×40mm×16mm |
Ri | 0.2µm~50nm | 0.4µm~0.1µm | 0.8m/s | 1.6m/s | <±125nm | <±220nm | 52mm×40mm×16mm |
ACi | 1µm~0.1µm | 2µm~0.2µm | 6.5m/s | 13m/s | <±100nm | <±150nm | 25mm×25mm×9.5mm |
ACi | 50nm~10nm | 0.1µm~20nm | 0.35m/s | 0.7m/s | <±125nm | <±220nm | 25mm×25mm×9.5mm |
ATOM を正確にキャリブレーションするために必要な最短測定長は?
ATOM (リファレンスマークを含む) を正確にキャリブレーションするには、移動軸を±120µm 移動します (最初の信号レベルが低すぎるか高すぎる場合は、この距離を何度か移動する必要があります)。
ATOM の油汚れに対する耐性は?
ATOM や他の「オプティカルフィルタ機構」のエンコーダシステムは、光学部品の独自のメカニズムによって、ある程度のグリースや油汚れがあっても、問題なく作動できます。唯一のデメリットとして、インクリメンタル信号の振幅が低くなりますが、AGC 機能で補正できます。
本ページに使用されている技術用語については、用語集を参照してください。