レーザーエンコーダの用語集
頻繁に使用される干渉式レーザーエンコーダの技術用語の定義を解説しています。
アッベ誤差
アッベ誤差は、エンコーダの軸が作動軸から外れているときに発生します。ステージにピッチまたはヨー成分が発生すると、ワークの移動とエンコーダの測定値に差が出ます。オフセットを d、ステージのピッチ成分をθとした場合、アッベ誤差は次のようになります。
精度
精度とは、物体の測定値と真の (目標または参照) 値が一致するかどうかを指す、性質的な用語です。
ビームスプリッタ
光のビームを 2 本以上に分割する光学装置で、大半の干渉システムにおける主要な構成要素にあたります。
補正
位置決め誤差を補正するために、エンコーダの位置出力信号を修正するプロセスです。
強めあう干渉
強めあう干渉とは、位相と周波数が似通った 2 種類の光波が組み合わさって、個別ビームよりも干渉縞が明るくなる場合を指します(「弱めあう干渉」も参照してください)。
弱めあう干渉
弱めあう干渉とは、周波数が似通った逆相の 2 種類の光波が組み合わさって、個別ビームよりも干渉縞が暗くなる場合を指します(「強めあう干渉」も参照してください)。
周波数
周波数とは、単位時間内に現象が繰り返される回数です。周波数は、現象が 2 回連続して発生する時間 (周期) を計算した後、この時間の逆数として算出します。この結果はヘルツ (Hz) を単位として、f = 1/T と定義されます。
音、電磁波 (無線や光など)、電気信号、その他の波を測定する場合、ヘルツ単位の周波数は 1 秒間に波形が繰り返されるサイクル数を表します。周波数は、波長のコンセプトに対して逆の関係になります。周波数 f は、波長λ (ラムダ) で割った波の速度 v と同等です (f = v/λ)。
周波数安定性
レーザー周波数の変化の測定値です。
大気中
大気によって満たされた三次元空間です。
干渉
干渉とは、2 種類以上の波が重なって新しい波のパターンを形成することです。同じソースから発生しているか、周波数が同じまたはほとんど同じであるために、お互いに相関性または可干渉性のある波の干渉を指す際に、よく使われます(「強めあう干渉」と「強めあう干渉」も参照してください)。
内挿分割
判明している個別データポイントから新しいデータポイントを作成する方法です。位置決め制御においては、一般的に、アナログ位置信号を一定の係数で割って個別デジタル信号を生成することを指します。
インターポレータ
内挿分割係数でアナログ位置信号を割り、個別デジタルカウントに変換する電子デバイスです。例えば、周期 158nm のアナログ信号に 4096 逓倍のインターポレータを使用すると、38.6pm の分解能が得られます。
リサジュ
SIN および COS 信号を表示する方法で、三角代数を使用して信号を統合して、円形で表示します。高度信号処理機構を使用すると、円上の点の数学的特性から、信号強度やある時点での位置など、干渉計の動作に関する多くの特性を把握できます。
OEM
OEM (Original Equipment Manufacturer: 相手先ブランド製造業者) とは、別の企業の製品に使われるパーツやサブシステムを製造する企業です。
位相
波の位相は、波形の別の部分にある同じ形状 (または別の波形の同じ形状) に対する形状の位置に関連します。位相は、時間、距離、波長の分数、角度で測定されます。
矩形波
2 本のライン間におけるデジタル形式のシリアル位置信号を指し、エッジの変化位置を表します。これらのエッジの変化は 90°の位相間隔で起こるため、360°を移動するには 4 回のエッジ変化が必要になります。このような理由から、4 点を表すものとして矩形波と呼ばれています。信号出力における A と B ラインを示すために、AQuadB と呼ばれることもあります。この信号は通常 RS422 AQuadB で、エンコーダの位置決めフィードバックの標準シリアルプロトコルになっています。矩象と呼ばれるサインとコサイン信号を定義する場合にも、使用されることがあります。
屈折率
屈折率とは、特定波長の屈折媒体における光の速度に対する空気中の光の速度の比率で、気温、相対湿度、気圧などの条件によって異なる空気の伝達特性を表します。
分解能
エンコーダの分解能とは、適した受信機に伝達できる検出可能な距離の最小単位です。
周期誤差
リサジュが真円でないことにより通常発生する、非蓄積誤差です。
真空
空気を部分的または完全に排除した三次元空間です。真空には複数のレベルがあります。
- 低真空: 1Torr~1mTorr
- 中真空: 1mTorr~10µTorr
- 高真空: 1µTorr~10nTorr
- 超高真空: 1nTorr 未満
1Torr = 133.322Pa1 気圧 (海抜高度での気圧) = 101.325kPa = 760Torr
波長
波長は波形パターンが繰り返される距離で、通常ラムダ (λ) で表されます。正弦波の波長は、ピーク間の距離です。波長λは、周波数 f (一定時間内のピークの回数) と逆の関係にあります。波長は波の速度を波の周波数で割ったものです。