6 自由度の測定のためのレーザーシステム
軸の誤差の低減は簡単に行えることではありません。6 自由度を測定できる、信頼性の高いレーザーシステムが不可欠です。
XM-60 は、1 回のセットアップで直線軸の 6 自由度を同時計測できるレーザーシステムです。解析用ソフトウェアを使って、軸の各誤差同士の関連性を調べたり、経時的な機械のパフォーマンスの変化をモニタリングしたりします。生産性の拡大、効率化、完成品の品質向上などに貢献します。
XM-600 は、XM-60 のフル機能に加え、レニショーの UCC コントローラとの通信機能が実装された製品です。工作機械と三次元測定機の両方を使う製造設備に最適です。
マルチアクシスキャリブレータとは
マルチアクシスキャリブレータとは、モーションシステムや機械の複数の軸の精度を測定したり評価したりするための装置です。ロボット、CNC 機械、三次元測定機などの精度維持のために使われるのが一般的です。
XM-60 は、1 回のセットアップで直線軸の 6 自由度を同時計測できるレニショー製レーザーシステムです。XC-80 環境補正ユニットと使用することで、広い環境条件での高い精度を確保できます。
空間補正に際しても、XM-60 を使うことで正確なデータを短時間で取得できます。光学的にすべての測定を行うため、設置方向を選びません。
マルチアクシスキャリブレータのメリット
精度が極めて重要な分野や場面で重要な役割を果たすのがマルチアクシスキャリブレータです。主に、機械の複数軸をキャリブレーションし、アライメントして、正確な動きを保証するために使用します。また、各業界の規格や規則への準拠を証明するためにも使用されています。XM-60 などを使って定期的にキャリブレーションすることで、機械の品質や信頼性を簡単に維持できます。機械のダウンタイムが短くなり、生産ラインへの影響が低減できます。
XM-60 のデータ取得や分析には CARTO を使用します。国際規格や個別の要件に沿った分析を行うことができます。
主なメリット
簡単測定
1 回のセットアップで、位置決め、ピッチ、ヨー、ロール、水平方向の真直度、垂直方向の真直度を測定できます。
シンプルセットアップ
セットアップが簡単なだけでなく、自動符号検出機能やグラフィカルなアライメント調整など、ヒューマンエラーを抑える仕組みが組み込まれています。
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詳細結果
測定や分析、測定結果のエクスポートは CARTO を使って簡単に行うことができます。
ユニークな技術
向きを問わず、ロールの測定が可能です。
CARTO を通じた付加価値の向上
CARTO は、データ取得用の Capture、解析用の Explore、誤差補正用の Compensate から構成されるソフトウェアです。
定期的に更新することで、XM-60 の機能が拡張し、適用できる用途が広がります。
- XM-60 で取得した長軸のデータをスティッチし、国際規格に沿って解析するためのデータスティッチ機能が Explore に搭載されています。
- Explore のオフセットリーディング機能を使うことで、レシーバから測定ポイントにかけての X、Y および Z のオフセットをソフトウェアに入力できます。取得したデータをオフセットを加味して再計算し、真の誤差を算出します。
- Explore では、測定した軸の偏差をアニメーションで見える化できる機能が実装されています。6 自由度の誤差の関連性の把握に便利です。
周辺のソフトウェアと治具
XM-60 にはソフトウェアや治具を各種ご用意しており、幅広い機械の測定に対応できます。また、製品のパフォーマンスを引き出すための製品トレーニングも提供しております。
回転軸測定
回転軸の測定には XR20 回転軸割り出し角度測定装置を使用します。回転軸の中心に取り付けられなくても、CARTO のオフアクシスロータリ測定モードを使用することで、測定が可能です。
高精度なアライメント
移動方向に直交する軸がない場合でも正確なアライメントを行うためのアクセサリが水平 1 軸ステージです。ステージやプリンタに特に便利です。
マグネットマウント
ラウンチユニットのベース部分は、切替え式のマグネットベースになっているため、簡単に機械に取り付けられます。
フィクスチャキット
ラウンチユニットやレシーバは、フィクスチャキットを駆使することで工作機械の加工領域内に簡単にかつ柔軟に取り付けられます。
90°ブラケット
ラウンチユニットの設置向きを変えるためのアクセサリが 90°ブラケットです。機械ベッドからオーバーハングさせることもできます。
クランプブロック取付け
クランプブロックとピラーを使うことで、レシーバは簡単に取り付けられます。クランプブロックを取り外して、ねじ穴で直接取り付けることもできます。
XM-600 で三次元測定機のエラーマッピングを高速化/簡素化
XM-600 マルチアクシスキャリブレータには、レニショー UCC コントローラと直接通信するための機能が追加搭載されています。XM-60 マルチアクシスキャリブレータ同様に、1 回の測定で 6 自由度を同時測定します。三次元測定機の直線軸それぞれの正確なエラーマップを簡単に作成できます。
XM-600 は CARTO に対応しています。工作機械と三次元測定機の両方を使用している生産設備にとっての、理想的なキャリブレーションシステムです。
XM-600 の導入によりエラーマッピング作業が大幅に効率化しました。測定作業とエラーマッピングが非常に便利になったので、作業時間が UCC 三次元測定機の場合で 平均 1 日かかっていたのが半分になりました。
DUKIN 社 (韓国)
トレーサブルな精度
XM-60/XM-600 マルチアクシスキャリブレータの性能は、国際標準に対してトレーサブルです。
全個体に、各シリアル No. を記載した校正証明書を付属しています。システムの試験対象の公表仕様の詳細と、システムがこの仕様を満たしていることが証明書に記載されており、各システムが仕様精度を一貫して発揮できることを示しています。
レニショーによる製造
レニショーのレーザー測定システムは、高性能と高い操作性を備えたシステムです。内部の骨格は軽量さと高強度を兼ね備えたアルミニウム製で、また工作機械に簡単に取り付けられるようにコンパクトな大きさとなっています。
また、レーザー測定システムには、10 年以上にわたって製造され、要求の厳しい半導体産業で利用されている RLE レーザーエンコーダシステムと同じテクノロジーが採用されています。XM-60 と XM-600 の両方について、高い信頼性と精度を保証いたします。
レニショーでは、モーションシステムのパフォーマンス向上のためのキャリブレーション製品を、各種ご用意しております。
FAQ
推奨校正期間はどれぐらいですか。
「通常の」環境で使用した場合は 2 年です。詳細については、キャリブレーションのサービス、修理、再校正をご覧ください。