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レニショー光学式エンコーダのメカニズム

クローズドタイプアブソリュートエンコーダ

オープンタイプアブソリュートエンコーダ

オープンタイプインクリメンタルエンコーダ

FORTiS™

レニショークローズドタイプ光学式エンコーダの概要

クローズドタイプ光学式エンコーダは、リードヘッド本体に取り付けた密封ユニットに電子部品と光学部品を格納しています。そしてその密封ユニットとエンコーダスケールの両方を、密封した筐体で保護しています。このような設計により、液体や切り粉の侵入に対して高い耐性を確保しています。

クローズドタイプエンコーダの筐体は、長手方向に延びたリップシールと密閉したエンドキャップを備えており、リードヘッド本体がブレードを介して密封した光学ユニットと接続され、ストロークに沿ってリップシール内部を移動します。

光学機構: FORTiS™ クローズドタイプエンコーダ

RESOLUTE™

RESOLUTE は、業界標準のプロトコル (コントローラ各社のプロトコルとオープンプロトコル) を使用して、シリアル形式の双方向通信を行います。

注釈付きの RESOLUTE™ エンコーダ光学機構

プロセスの開始

コントローラが、リニアスケールまたはロータリスケール上の絶対位置を読み取るリクエストを、リードヘッドに送信して動作を開始します。このリクエストを受け、リードヘッドは高出力 LED を点滅させて、スケールを照らします。この点滅は、移動軸上の画像のブレを防止するために、100ns という非常に短い時間で行われます。このタイミングは、リクエストした位置とフィードバックした位置間の関係を維持するために数ナノ秒単位で制御されます。このような制御が、RESOLUTE が超高精密なモーションコントロールに最適である理由のひとつです。

シングルトラックスケール

スケールはシングルトラックで、幅全域にわたって反射しやすい線と反射しない線が公称 30µm ピッチで刻まれています。平行に配置した複数のトラックを使用しているわけではないため、ヨー方向の変化に対しての耐性が得られており、またヘッドの横方向への位置公差が広くなっています。

画像取得

スケールの画像は、ゆがみがほぼない非球面レンズを介して、RESOLUTE 専用設計のカスタムディテクタ上に取得されます。照射経路は曲がっていますが画像の取得は直線で行う、コンパクトさと安定性を両立した光学構成となっています。そのため、高精度の測定に不可欠な、実際の状態の画像を確実にそのまま取得する、ということが実現しています。

データのデコードと解析

ディテクタによって取得した画像は、アナログ-デジタルコンバータによって、高性能デジタル信号プロセッサ (DSP) に転送されます。その後、専用アルゴリズムを使用して、スケールに埋め込まれたコードから、比較的おおまかな絶対位置を取得します。このプロセスはチェックされ、DSP の、スケールコード内の冗長性と意図的な制約を利用する別のアルゴリズムによって補正が行われます。その一方で、他のルーチンが高分解能の詳細な位置を算出し、算出した位置とおおまかな位置と組み合わせることで、高分解能の真の絶対位置を取得します。

最終チェックとデータ出力

最終エラーチェック後、この位置情報は 1nm 単位の位置を表すシリアルワードとして、適切なプロトコルでコントローラにアップロードされます。この際、CRC (巡回冗長検査) によって、電気ノイズに対しての保護が施されています。プロセス全体としては、数マイクロ秒程しかかからず、毎秒最大 25,000 回繰り返す場合もあります。この性能は、軸速度に合わせた点滅時間調整などの各種技術によって最高速度 100m/s でも保持されます。また、同時に、低速度域でも超低ジッタを実現しています。

効果

ヨー、ピッチ、ロールで±0.5°、取付け高さで±150µm という広い公差を実現しています。さらに、広い照射面積と高度な誤差補正処理により、微粒子やグリースによる汚れに対して耐性が非常に高くなっています。これらはすべて、100m/s での分解能 1nm を確保したうえで実現しています。RESOLUTE は、過酷な環境での絶対位置決めに最適です。

EVOLUTE™

EVOLUTE は、業界標準のプロトコル (コントローラ各社のプロトコルとオープンプロトコル) を使用して、シリアル形式の双方向通信を行います。

注釈付きの EVOLUTE™ エンコーダ光学機構

プロセスの開始

コントローラが、リニアスケール上の絶対位置を読み取るリクエストを、リードヘッドに送信して動作を開始します。このリクエストを受け、リードヘッドは高出力 LED を点滅させて、スケールを照らします。この点滅は、移動軸上の画像のブレを防止するために、100ns という非常に短い時間で行われます。このタイミングは、リクエストした位置とフィードバックした位置間の関係を維持するために数ナノ秒単位で制御されます。このような制御が、EVOLUTE が超高精密なモーションコントロールに最適である理由のひとつです。

シングルトラックスケール

スケールはシングルトラックで、幅全域にわたって反射しやすい線と反射しない線が公称 50µm ピッチで刻まれています。平行に配置した複数のトラックを使用しているわけではないため、ヨー方向の変化に対しての耐性が得られており、またヘッドの横方向への位置公差が広くなっています。

画像取得

スケールの画像は、ゆがみがほぼない非球面レンズを介してカスタムディテクタ上に取得されます。照射経路は曲がっていますが画像の取得は直線で行う、コンパクトさと安定性を両立した光学構成となっています。そのため、高精度の測定に不可欠な、実際の状態の画像を確実にそのまま取得する、ということが実現しています。

データのデコードと解析

ディテクタによって取得した画像は、アナログ-デジタルコンバータによって、高性能デジタル信号プロセッサ (DSP) に転送されます。その後、専用アルゴリズムを使用して、スケールに埋め込まれたコードから、比較的おおまかな絶対位置を取得します。このプロセスはチェックされ、DSP の、スケールコード内の冗長性と意図的な制約を利用する別のアルゴリズムによって補正が行われます。その一方で、他のルーチンが高分解能の詳細な位置を算出し、算出した位置とおおまかな位置と組み合わせることで、高分解能の真の絶対位置を取得します。

最終チェックとデータ出力

最終エラーチェック後、この位置情報はシリアルワードとして、適切なプロトコルでコントローラにアップロードされます。この際、CRC (巡回冗長検査) によって、電気ノイズに対しての保護が施されています。プロセス全体としては、数マイクロ秒程しかかからず、毎秒最大 25,000 回繰り返す場合もあります。この性能は、軸速度に合わせた点滅時間調整などの各種技術によって最高速度 100m/s でも保持されます。また、同時に、低速度域でも超低ジッタを実現しています。

効果

ヨーで±0.75°、ピッチおよびロールで±0.5°、取付け高さで±250µm という、広い取付け公差を実現しています。さらに、広い照射面積と高度な誤差補正処理により、微粒子やグリースによる汚れに対して耐性が非常に高くなっています。そして、最高速度 100m/s で分解能 50nm を実現しています。

QUANTiC™

QUANTiC は、レニショー独自の第三世代のオプティカルフィルタ機構を備えている点が特徴です。この機構によって、多くのスケール周期値が平均化処理され、汚れなどの非周期性の特徴が効果的に除去されます。矩形波スケールパターンも除去されて、検出面ではきれいな正弦波の干渉縞が得られます。検出面には複数のフィンガ構造が採用されており、目が細かく、4 点の対称的な位相信号をフォト電流として得ます。これらを組み合わせて DC 成分を除去し、帯域幅を 500kHz 以上に維持しながら、高いスペクトル純度と低いオフセットに抑えたサイン波とコサイン波の信号を出力します。

オートゲインコントロール、オートバランスコントロール、オートオフセットコントロールといった高度な動的信号処理が組み合わされることで、低い周期誤差を実現しています (小径ロータリシステム: 平均±80nm 未満、大径ロータリシステム: 平均±150nm 未満、リニアシステム: ±80nm 未満)。

オプティカルフィルタ機構の進化と綿密に設計した電子部品と組み合わせることで、8,800rev/min (ロータリシステム)、24m/s (リニアシステム) の最高速度を実現する広い帯域幅のインクリメンタル信号を確保しながら、このクラスのエンコーダで最小の位置データのジッタ (ノイズ) を実現しています。内挿分割はリードヘッド内で行われ、高分解能バージョンでは、ノイズ低減用の機構を追加搭載することで、最小 2.73nm RMS というジッタを実現しています。

注釈付きの TONiC™ 光学機構

インクリメンタルスケールには、IN-TRAC リファレンスマークが刻まれており、リードヘッド内のフォトディテクタにより検出されます。さらに、自動キャリブレーション機能により、リファレンスマークの位相調整をボタン 1 個で実施でき、インクリメンタル信号を最適化できます。

TONiC™

TONiC は、レニショー独自の第三世代のオプティカルフィルタ機構を備えている点が特徴です。この機構によって、多くのスケール周期値が平均化処理され、汚れなどの非周期性の特徴が効果的に除去されます。矩形波スケールパターンも除去されて、検出面ではきれいな正弦波の干渉縞が得られます。検出面には複数のフィンガ構造が採用されており、目が細かく、4 点の対称的な位相信号をフォト電流として得ます。これらを組み合わせて DC 成分を除去し、帯域幅を 500kHz 以上に維持しながら、高いスペクトル純度と低いオフセットに抑えたサイン波とコサイン波の信号を出力します。

オートゲインコントロール、オートバランスコントロール、オートオフセットコントロールといった高度な動的信号処理が組み合わされ、平均±30nm 未満という非常に低い周期誤差を実現しています。

高性能なオプティカルフィルタ機構と、厳選された電子部品と組み合わせることで、10m/s の最大速度を実現する広い帯域幅のインクリメンタル信号を確保しながら、このクラスのエンコーダで最小の位置データのジッタ (ノイズ) を実現しています。内挿分割は Ti リードヘッド内で CORDIC アルゴリズムによって行われます。高分解能バージョンでは、ノイズ低減用の機構が追加搭載されており、わずか 0.5nm RMS というジッタを実現しています。

注釈付きの TONiC™ 光学機構

インクリメンタルスケールには、IN-TRAC リファレンスマークが刻まれており、リードヘッド内のスプリットフォトディテクタにより検出されます。図のように、リファレンスマークのスプリットディテクタがインクリメンタルチャンネルのリニアフォトダイオードアレイの中央に直接組み込まれているため、ヨー方向の位相がずれてもほとんど影響を受けません。これにより、仕様範囲内のあらゆる速度で分解能単位の双方向の繰り返し再現性を備えたリファレンスマーク出力が得られます。さらに、自動キャリブレーション機能により、リファレンスマークの位相調整をボタン 1 個で実施でき、信号状態を最適化できます。

VIONiC™

VIONiC は、レニショー独自の第三世代のオプティカルフィルタ機構を備えている点が特徴です。この機構によって、多くのスケール周期値が平均化処理され、汚れなどの非周期性の特徴が効果的に除去されます。矩形波スケールパターンも除去されて、検出面ではきれいな正弦波の干渉縞が得られます。検出面には複数のフィンガ構造が採用されており、目が細かく、4 点の対称的な位相信号をフォト電流として得ます。これらを組み合わせて DC 成分を除去し、帯域幅を 500kHz 以上に維持しながら、高いスペクトル純度と低いオフセットに抑えたサイン波とコサイン波の信号を出力します。

オートゲインコントロール、オートバランスコントロール、オートオフセットコントロールといった高度な動的信号処理が組み合わされ、平均±15nm 未満という非常に低い周期誤差を実現しています。

高性能なオプティカルフィルタ機構と、厳選された電子部品と組み合わせることで、12m/s の最大速度を実現する広い帯域幅のインクリメンタル信号を確保しながら、このクラスのエンコーダで最小の位置データのジッタ (ノイズ) を実現しています。内挿分割はリードヘッド内で行われ、高分解能バージョンでは、ノイズ低減用の機構を追加搭載することで、わずか 1.6nm RMS というジッタを実現しています。

注釈付きの TONiC™ 光学機構

インクリメンタルスケールには、IN-TRAC™ リファレンスマークが刻まれており、リードヘッド内のスプリットフォトディテクタにより検出されます。図のように、リファレンスマークのスプリットディテクタがインクリメンタルチャンネルのリニアフォトダイオードアレイの中央に直接組み込まれているため、ヨー方向の位相がずれてもほとんど影響を受けません。さらに、自動キャリブレーション機能により、リファレンスマークの位相調整をボタン 1 個で実施でき、インクリメンタル信号を最適化できます。

ATOM DX™

ATOM DX には、TONiC や VIONiC というレニショーのインクリメンタルエンコーダにも採用されている、市場で実証済みのオプティカルフィルタ機構を採用しています。リードヘッド内には、インクリメンタルマークセンサーとリファレンスマークセンサーの中央に、2 方向に光を照射する LED が配置されています。この LED は拡散性が高く、低い高さから LED 自体の大きさよりも広いスケール上の領域に光を照射できるため、インクリメンタルマークとリファレンスマーク領域両方を照らします。非干渉性 LED によりハーモニックエラーのない純度の高い信号が得られるため、高分解能での内挿分割が可能になっています。また、効率的なオプティカルフィルタ機構により、ジッタの低い信号が出力されます。スケールの汚れや起伏によって測定誤差が発生しないことも、このオプティカルフィルタ機構の利点です。


オートゲインコントロール、オートバランスコントロール、オートオフセットコントロールといった高度な動的信号処理が組み合わされ、平均±15nm 未満という非常に低い周期誤差を実現しています。


オプティカルフィルタ機構と選び抜かれた電子部品との組合せにより、12m/s の最大速度を実現する広い帯域幅のインクリメンタル信号を確保しながら、このクラスのエンコーダで最小の位置データのジッタ (ノイズ) を実現しています。内挿分割はリードヘッド内で行われ、高分解能バージョンでは、ノイズ低減用の機構を追加搭載することで、わずか 1.6nm RMS というジッタを実現しています。


ATOM DX のリファレンスマークは大きめで、トラックの外側に配置されているため、汚れに対する高い耐性を確保できています。リファレンスマークの位相調整は、QUANTiC™VIONiC™ と同様のシンプルかつ直感的な自動キャリブレーションルーチンで実施できます。

注釈付きの ATOM™ 光学機構

ATOM™

ATOM では、インクリメンタルマークセンサーとリファレンスマークセンサーの中央に、2 方向に光を照射する LED が配置されています。この LED は拡散性が高く、低い高さから LED 自体の大きさよりも広いスケール上の領域に光を照射できるため、インクリメンタルマークとリファレンスマーク領域両方を照らします。

ATOM には、レニショーインクリメンタルエンコーダの全モデルに使用されているオプティカルフィルタ機構が採用されています。非干渉性 LED によりハーモニックエラーのない純度の高い信号が得られるため、高分解能での内挿分割が可能になっています。さらに、この効率的な測光方法では、信号のジッタも低く抑えられます。スケールの汚れや起伏によって測定誤差が発生しないことも、このオプティカルフィルタ機構の利点です。

ATOM のリファレンスマークは大きめで、トラックの外側に配置されているため、汚れに対する高い耐性を確保できています。リファレンスマークの位相調整は、TONiC 同様簡単に行えます。

注釈付きの ATOM™ 光学機構