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REVO-2 および ATOM™ エンコーダ

レニショーの旗艦システムの一つ、REVO® マルチセンサーシステムを使用すると、3 軸三次元測定機(CMM)で 5 軸測定を行えるようになります。

このシステムは 500mm/s の速度で作動し、毎秒数千点を測定することができます。ヘッドは三次元測定機に比べて軽く、動作性に優れているため、動的誤差を生じることなく部品の形状変化に素早く対応することができます。

REVO-2 は、三次元測定機(CMM)用の革新的なマルチセンサー 5 軸計測ヘッドの改良版です。REVO-2 と新しい CMM コントローラーの UCC S5 は、ご好評をいただく REVO マルチセンサーシステムを基にしており、RVP ビジョン測定システムなどの最新型 REVO センサーに対応するためにパワーとコミュニケーション能力を強化しています。このヘッドは、傾斜軸のマイナス方向への移動範囲が拡大されているため、パーツへのアクセス性を高め、スタイラスを簡単にセットアップできるようになっています。更に、無限の位置決め機能により RVP ビジョンプローブをどのような角度ででも形状正面に配置することができます。

REVO-2

ATOM エンコーダソリューション

REVO の設計改良では、当初の統合エンコーダに改善を加えました。このエンコーダは、位相 12µm のファインピッチスケールで、高精度の超小型エンコーダが市場に出回る前に開発されたものでした。REVO®-2 には、両軸(ヨーとピッチ)に RCDM ガラス製ロータリー(角度位置決め用)スケールを搭載したレニショーの最新 ATOM™ インクリメンタルロータリーエンコーダを採用しています。これは設計の構想段階から ATOM を組み込んだ初の製品です。2014 年に、高度なオプティカルフィルター機構を搭載した世界初の超小型エンコーダとして発売された ATOM は、周期誤差をこのクラスで最低に抑えており、ピッチ 20µm の各 RCDM ガラスディスク(Ø68mm)の表面をデュアルリードヘッド構成で読み取ることにより、回転時の偏心誤差を排除して、REVO-2 の性能を最適化しています。ATOM リードヘッドは、アナログフィルターと ADC(アナログ-デジタルコンバーター)を介して REVO-2 のエレクトロニクスに接続します。REVO-2 の設計チームは、高度な自動化製造プロセスによりプロセス誤差を低減することで、最高の品質と短縮されたリードタイムが得られる ATOM を、最も効果的なソリューションとして REVO-2 に採用しました。

ATOM を使用することで最高の精度とスピードが得られるため、優れたサーボループゲインレベルにより優れた位置保持性が確保でき、パーツ / 部品の正確な表面スキャニングを実施できるようになります。更に、次のような設計上の特徴も、ATOM システムの採用理由になっています。

  • 機械上の構成が比較的シンプルで、顕微鏡カメラシステムによる光学ディスクのアライメント調整方法により、取り付け精度を向上。
  • セットアップのしやすさと REVO-2 のエレクトロニクスにより、オシロスコープや他の装置を使用してなくても、インクリメンタル信号のキャリブレーションとリファレンスマークの自動位相調整が可能。
  • 目盛精度の高いクロムメッキガラス製のロータリースケールが使用できるため、REVO-2 で 0.002 arc 秒の分解能を達成でき、動作温度の全範囲で高精度を確保。

つまり、ATOM により REVO-2 製造プロセスを合理化しながら、優れた測定性能を提供することができます。

ATOM™ と RCDM のアイコン

ATOM エンコーダは、以前は不可能だったプラグアンドプレイ機能を備えています。REVO-2 の設計チームは、取り付けとアライメント調整の簡素性に加え、優れた技術サポートにより、製造サイクルタイムを短縮しながら、設計仕様を完全に達成することができました。

Renishaw plc(英国)

ATOM エンコーダはどのように時間とコストを削減できるか?

ATOM RCDM ディスクスケールは、出荷前に受け入れテストが実施されており、あらゆるタイプのアプリケーションにお使いいただけるよう様々なサイズのものが用意されています。そのため、レニショーでは、製造準備が整った状態の RCDM スケールを大量購入することができます。REVO-2 製造中の取り付け作業も、マウンティングブラケットとシム(発注可能パーツ)を使用した ATOM の取り付け手順により合理化されています。

ATOM ピラミッド

ATOM システムは、電気方式と光学方式の 2 種類のディスクアライメント調節方法があり、REVO-2 のデュアルリードヘッド構成ではどちらの方式でも使用することができます。今回は、高い繰り返し精度で簡単にディスクの触れを設定して、プロセス誤差を低減するために、光学式アライメント調整を採用しました。この方法では、カメラを接続した顕微鏡を使用し、ディスクを回転させながら位置決め帯環の動きを観察します。そして、位置決め帯環の動きが設計仕様内に収まるようになるまで、ディスクを調整します。かつてはこの操作と、カスタムリードヘッドのアライメント調整および固定に 1 時間以上を要していました。しかし現在では、リードヘッド / スケールの固定をアライメントを行えるように設計された ATOM により数分間で済ませることができます。

ATOM REVO-2 のクロースアップ

別の改良領域として上げられるのは、取り付けとアライメント調整後のエンコーダのセットアップキャリブレーションです。以前は、リファレンス信号をオシロスコープに出力してスケール上でリファレンスマークの手動位相調整を行っており、非常に時間がかかるだけでなく、オペレーターの技術が求められました。ATOM は、そのセットアップ LED により、キャリブレーションとエンコーダパラメータの設定を一目で確認できるため、このクラスで最も高い簡素性を達成しています。更に、オプションの診断キットを使用すると、目視によるリードヘッドの評価が難しいような状況でもセットアップを更に簡素化することができます。REVO-2 には、CAL ラインと信号出力チャンネルとの直接インターフェースが可能なエレクトロニクスが統合されており、LabVIEW プログラムにより ATOM 診断キットと同じ機能を効果的に実施できます。

レニショーの CMM 製品事業部のテクニカルマネージャー、Richard Toller は、この点について次のように説明しています。「ATOM エンコーダは、以前は不可能だったプラグアンドプレイ機能を備えています。REVO-2 の設計チームは、取り付けとアライメント調整の簡素性に加え、優れた技術サポートにより、製造サイクルタイムを短縮しながら、設計仕様を完全に達成することができました。」

ATOM エンコーダ採用により製造プロセスを向上

全般的な効率を改善するためには、プロセスの最適化が最も重要な手順になります。ここでプロセスエンジニアは「各パーツ、各機械、各製造作業がプロセス全体にどのような影響を及ぼすか」を問いかける必要があります。

比類ないテクニカルサポート、合理化された取り付け手順、確かなキャリブレーション手順の ATOM は、製造・サービス作業を強化できるように設計されています。そのため、プロセスのサイクル時間と製造コストを低減しながら、歩留まりと効率を向上します。REVO と ATOM は REVO‑2 のパワーを統合した最先端製品です。

詳細については、www.renishaw.co.jp/atom をご覧ください。