ラマン分光を使った地質サンプルの分析
複雑な構造にも対応した高い波数分解能
構造が複雑な地質サンプル。たくさんの鉱物が含まれることが多く (各々の結晶多形で存在していることが通常)、また固体、液体、気体が含まれる場合もあります。これらのすべての詳細を正確に分析するには、高空間分解能と高感度を備えたラマンシステムが不可欠です。
多種多様な地質サンプルの研究
ラマン分光は、地質学の研究に適したツールです。下記が可能です。
- 鉱物とその結晶多形を同定
- その他の有機物と無機物を同定して判別
- 薄い断片や研磨ブロックの粒子サイズと分布を判定
- 透明な物質内の含有物のイメージを取得して同定
- 高圧環境などの各種環境でサンプルを研究
- 石油化学サンプルの特性を把握
平坦でない面や凹凸面のサンプルを分析
レニショーのラマンシステムは、ほとんどの標準的な地質サンプルに使用できます。加工を行っていないそのままのサンプルから研磨ブロックや薄い断片まで、各種サンプルのイメージを生成できます。LiveTrack™ フォーカストラッキングテクノロジーにより、サンプルの前処理をしなくても、凹凸面や複雑な形状のサンプルを分析できます。
あらゆるレベルの構造を確認
地質サンプルには、1 ミクロンに満たないものから数ミリメートルにわたるものまで、さまざまな構造があります。レニショーの inVia コンフォーカルラマンマイクロスコープは、このようなあらゆる規模のサンプルのイメージを生成できます。
- 高い空間分解能: inVia は共焦点性が高く、サブミクロン単位の形状でも分析できます。さらに、液浸レンズやカバーガラス補正レンズなど、豊富な高品質顕微鏡対物レンズを使用して、小さな形状でも解明できます。
- 広域マッピング: HSES モータ駆動式ステージで、数百ミリメートルの大きなサンプルでも分析できます。さらに、オプションのフリースペースマイクロスコープを使用すると、より大きなサンプルにも対応できます。
- 高画質イメージ: WiRE ソフトウェアは、5000 万以上のスペクトルから構成されるラマンイメージを処理できます。さらに、高空間分解能で大きな領域をカバーすることも可能です。1 点のイメージから必要なすべての情報を取得できます。
信頼できる結果を取得
ほとんどの鉱物は頑強ですが、中にはレーザーの出力密度が高いと変質するものがあります。例えば、鉄の化合物は酸化することがあります。StreamLine™ では、スポットではなく線状にレーザーを照射します。レーザーパワーの密度を低減し、高感度の物質を変質させたり、損傷することなく、分析を行えます。
物質を簡単に同定
当社の無機物鉱物スペクトルデータベースにより、材料を簡単に同定できます。さらに、高空間分解能の inVia コンフォーカルラマンマイクロスコープなら、結晶多形など、ラマンスペクトルが非常に似通った物質でも同定が可能です。
ラマンと SEM
inLux™ SEM-ラマンインターフェースを介することで、ラマン分析能力を SEM (走査型電子顕微鏡) で活用できます。この装置は、高空間分解能の SEM イメージと EDX 元素分析をラマン分光の詳細化学情報と統合するため、地質研究に特に効果的です。
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