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JUSTEK 社のモーションコントロール製品を支える ATOM™ エンコーダ

レニショーは、顧客のイノベーションに貢献するカスタムソリューションを提供している。

背景

JUSTEK 社はモーションコントールのコンポーネント製造で市場をけん引している韓国の企業である。リニアモータ、ダイレクトドライブロータリモータ、モーションステージ、コンベヤなどを設計、製造している。

サムソンや LG といったエレクトロニクスの巨人を擁する韓国のフラットパネルディスプレイ (FPD) 産業は、世界の TV 市場の需要の 3 分の 1 以上のシェアを占める。

有機発光ダイオード (OLED) や量子ドット発光ダイオード (QLED) といった技術の市場が、スマートフォンやタブレット PC に代表される小型ディスプレイ分野で特に成長著しい。モーションコントロールシステムは FPD 製造装置にとって不可欠な存在だ。要求される製造精度確保の重責を担う。

JUSTEK は、ATOM をはじめとしたレニショーエンコーダを組み込んだダイレクトドライブモータ (DD) を多数開発しており、FPD や半導体、エレクトロニクス分野の製造装置を販売する OEM に提供している。

課題

何に需要があり、どう差別化するか。これこそ、OEM だけでなくコンポーネントメーカーも同じように抱える、大きなビジネス上の課題のひとつである。そして差別化になるとして期待されているのが、IoT でデータを共有する「つながる」製造装置である。

モーションコントローラ業界においても、「つながる」機械へのモーションテクノロジーの組込みが進んでいる。この目的を達成するために、モーションコントロールベンダは、コンポーネントをインテリジェンス化―コンポーネントにコンピュータによる計算能力と「つながる」機械のネットワークに加わるための通信能力を付与―し、継続的に改善している。

「つながる」システムでも、従来的なスタンドアロン機器による場合でも、最新の OEM イノベーションを支援するうえで上質で顧客に合ったモーションコントロールが必要である。

JUSTEK 社の DD モータはコンパクトで、FPD や半導体の高精度プロセス装置向けに設計されている。そのため、位置フィードバックのために組み込むエンコーダに関しては、サイズや重量、パフォーマンス、信頼性といったエンドユーザーが求める種々の条件を満たしていることが求められる。

例えばある DD モータのプロジェクトのとき、お客様がオリジナルのコントローラにシームレスにモータを接続することができるよう、レニショーさんは標準ではラインナップしていない分解能のエンコーダを提供してくれました。おかげで受注を勝ち取ることができました」

JUSTEK 社 (韓国)

解決策

JUSTEK 社が DD モータとモーションステージに採用したのがレニショーの ATOM エンコーダである。

JUSTEK 社の製品マネージャである Young-dong Jo 氏は ATOM エンコーダの特長について説明する。

「ATOM のコンパクトさは、内部のスペースが非常に限られている DD モータに理想的でした。我々が求めるサイズとパフォーマンスを満たせるエンコーダはほとんどありません。最初、他のブランドのエンコーダも試したのですが、ごく短期間ですぐに交換しなければならない事態になり、信頼性に問題がありました。そこで別の製品を探し始めたのです。ATOM エンコーダについては何度もテストし、信頼性とパフォーマンスについてメリットが大きいという結論に至りました。アフターサービスやテクニカルサポートの手厚さ、納期順守という点も含め、レニショーさんを信頼しています」

JUSTEK JTR49 シリーズ DDR モータ

JUSTEK JTR49 シリーズ DDR モータ (外径 490mm)

ATOM リードヘッドの大きさは、わずか 7.3×20.5×12.7mm である。このサイズ感の光学式エンコーダは市場にごくわずかしかなく、信号の安定性、汚れ耐性、信頼性といった点が優れている。使用できるスケールとしては、リニアやパーシャルアークシステム用の RTLF と RKLF、ロータリシステム用の RCDM ガラスディスクがある。

RCDM は、一体成形のガラスディスクであり、ディスクに目盛りとリファレンスマーク、アライメントバンドが刻まれている。アライメントバンドとはディスクの位置合わせに使用するマークであり、偏心の低減や取付け精度の向上に一役買う。ATOM はオープンタイプのエンコーダであり、従来の密閉式のエンコーダに見られるバックラッシュ、シャフトのねじれといったメカニカルなヒステリシス誤差が生じないのが特徴である。

ディスクは取付け面に接着剤を塗り、シャフトの上面に配置する。配置したディスクは、接着剤が硬化する前にシャフトと同心になるようアライメントする。このアライメントは、電子的な手法か光学的な手法で行うのが一般的である。電子的なアライメントでは、対面に配置したリードヘッド 2 個からの信号強度を確認し、その差が最小になるようにディスクの位置を調整する (調整用ツールには、ATOM リードヘッドが 2 個、DSi インターフェースが 1 個付属する)。光学的なアライメントでは、顕微鏡を使いながらディスクの位置を調整する。

Young-dong Jo 氏は以下のように続ける。「ATOM だけでなく、当社の精密モーションステージには他にもレニショーさんのエンコーダを採用しています。例えば OLED パネル検査装置には TONiC™ を、OLED パネルインクジェットプリンタには RESOLUTE™ などです。特に印象的なのが TONiC と熱膨張率がほぼゼロの ZeroMet™ スケールの組合せです。温度が大きく変動しても測定精度が非常に高く安定しています」

同社では、品質管理のために、製品出荷前にレニショーのキャリブレーション製品を使ってテストおよび校正している。

「レニショーさんの XL-80 レーザーと XR20-W 回転軸割り出し角度測定装置を必ず使って品質管理に努めています。セットアップが容易なこと、位置決め測定精度が±0.5ppm と非常に高いこと、軽量で持運び可能なことが特徴ですね」(Young-dong Jo)

結果

レニショーとの有意義な関係を築いたことで、モーションコントロールシステムのオーダーメイド化が可能になり、売上と利益が伸びた。

Young'dong Jo 氏は製品戦略について以下のように述べる。

「製品の柔軟性、自由度は我々の強みのひとつです。競争の厳しい今日の市場において、お客様のニーズに素早く応えられることが我々の成功のカギです。特殊な仕様の DD モータやロータリテーブル、リニアステージが求められることもありますが、その際にもレニショーさんは非常に頼りになります。例えばある DD モータのプロジェクトのとき、お客様がオリジナルのコントローラにシームレスにモータを接続することができるよう、レニショーさんは標準ではラインナップしていない分解能のエンコーダを提供してくれました。おかげで受注を勝ち取ることができました」

ATOM と 40µm ピッチの RCDM、分解能 0.25µm の Ti インターフェースを組み込んだ JUSTEK 社の DDR モータは、精度±30arc 秒、繰り返し精度±2arc 秒を達成している。

「レニショーさんは精密測定分野で有名です。レニショーさんの製品は、当社製品にも長年にわたって使用しています。DD モータは今後も引き続き、高精度化、高速化、高トルク化が進むと考えています。当社はこれからもこのトレンドに対応すべく、光学式アブソリュートエンコーダ内蔵の DD モータをはじめ、新製品の開発を継続していきます」

JUSTEK JTR30 シリーズ DDR モータ

JUSTEK JTR30 シリーズ DDR モータ (外径 300mm)

JUSTEK 社について

JUSTEK 社は 1999 年に設立され、以来、半導体製造や FPD 製造における精密モーションコントロールの需要に応える主要コンポーネントやデバイス (DDR モータ、モーションステージなど) の開発を手掛け、エレクトロニクス産業の成長に貢献している。

DD モーションコントロールの最新テクノロジーの開発に注力しており、モーションコントロールのグローバル市場における実績豊富なテクノロジーリーダーである。

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