美術品と文化遺産に対してのラマン分光
レニショーのラマン分光装置は、聖骸布 (トリノ)、ヴィンランド地図、シャガールの絵画など、数々の文化遺産の調査に使用されています。このような調査では、年代と真贋を判別するための能力が不可欠になります。
優れた汎用性
レニショーのラマンシステムは、以下を可能にします。
- 絵画、フレスコ画、壁画、タペストリに使用された顔料やラッカーの分析
- 写本、巻物、地図、書物に使用されたインクの特定
- 文化遺産に使われた宝石や鉱物の調査
- 紙、衣服、基板の組成の識別
- インク、顔料、ラッカーの化学特性を分析することで、真贋と年代を判断
サンプルの保護
ラマン分析は非接触式、非破壊式であるため、サンプル全体の保護に寄与します。また、in situ 測定を行うことができるため、サンプリングの必要もありません。
ラマン分光による顔料と塗料の特定
スペクトルライブラリやデータベースのラマンスペクトルを基に顔料や塗料の特定を行えます。WiRE™ ではレニショーのスペクトルライブラリを使えるだけでなく、独自のライブラリを作ることも、サードパーティのデータベースをインポートすることもできます。
アクリル画のラマンスペクトルと顕微鏡イメージ。現代的な顔料が多く確認できます。無料のスペクトルライブラリと一致しました。
大きなサンプルの分析
レニショーのラマンシステムは、大きなサンプルにも対応できます。サンプルを移動して装置に搭載できる場合は、フレキシブルサンプリングアームなどの専用アクセサリの使用により最適なサンプリングが可能です。一方、顕微鏡の下に大型のサンプルを置きたい場合には、フリースペース顕微鏡が便利です。さらに、ラマンシステムのカスタマイズを行うことで、最適な条件を確保できます。
遠隔分析
サンプルが非常に壊れやすい場合や移動できない場合でも、Virsa™ なら in-situ ラマン分析が可能です。
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