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FORTiS-S™ エンコーダの最大長、4240mm に拡大

低燃費の航空機や次世代自動車のギガキャスティングなど、我々の世界を形作っていくイノベーションのカギとなるのが CNC 加工プロセスです。最大測定長 4.24m がラインナップに加わった FORTiS は CNC 加工プロセスの確固たる礎として貢献していきます。

高精度の位置測定に堅牢性と信頼性を融合した FORTiS™ クローズドタイプリニアアブソリュートエンコーダ。CNC 加工プロセスの確かな基盤を担う製品は

販売開始以来、高い測定パフォーマンス、優れた耐環境性能そしてクラストップクラスの振動耐性が評価され、世界各地の大手工作機械メーカー各社に採用されています。

そしてこのたび、FORTiS-S の最大長を拡張し、より長い測定長の仕様がラインナップに加わりました。大型プレス機や立形旋盤、特大サイズの CNC 工作機械などにうってつけです。

Car chassis
Car frames on a production line

ギガキャスティングとメガキャスティング

車のシャシなどの大型コンポーネントは、従来ではプレス成形した複数のスチール部品を溶接することで製造していました。ギガキャスティング (メガキャスティングとも) は、こういった大型コンポーネントを製造する手段として自動車業界で使用されている鋳造技術です。

鋳造コンポーネントには、寸法と構造に厳格な精度が求められます。しかし、ギガキャスティングなら、膨大な数の溶接や組立てをなくすことで、コストの削減、エネルギー消費の低減、製造時間の短縮、軽量化という点で期待が持てます。

自動車コンポーネントの鋳造では、溶解したアルミニウム合金をプレス機に置いたモールド (金型) に高圧で流し込み、冷却して固めます。

固まったコンポーネントはオーバーフローを取り除いた後、欠陥測定し、CNC 工作機械で仕上げます。

大型の CNC 機械は、メガキャスティングの試運転からメンテナンス、実稼働に至るまで広く活用されています。そのひとつが、ギガキャスティングに使う金型の製造です。金型はキャスティングのプロセスが安定するよう、高い精度で加工する必要があります。

リニアエンコーダを工作機械に組み込むことで熱変位補正が可能になり、規格通りの正確な金型の製造に一歩近づきます。

大型の CNC 機械が使われる場面の他の例としては、金型の仕上げ工程が挙げられます。この工程では、サスペンションパーツなどを取り付けるためのポイントが加工されます。

この工程では、生産全体の流れを保つために速度が非常に重視されるため、高い精度と信頼性に加えて速度が加工機に求められます。

どちらの工程にとっても極めて重要なのが、安定して工程を進めるための高い精度です。長軸にも対応できる FORTiS なら、そういった大型 CNC 工作機械から最適なパフォーマンスを引き出すことができます。

立形旋盤

航空機やエネルギー、重機などの分野における大型コンポーネントの製造で重要な役割を果たしているのが立形旋盤です。高い精度や長寿命などを実現すべく、さまざまな技術や工夫が施されています。

立形旋盤では、巨大なワークが扱われ、ワークの大きさが数メートルに及ぶことも少なくありません。多くの場合、加工も長時間に及びます。複数軸を同時に緻密に動かして複雑な形状を加工する際には、精密なモーションコントロールやクローズドループによる位置フィードバックが重要です。

FORTiS には、大型旋盤などの大型機のパフォーマンスを最大限まで引き出す設計が施されています。

FORTiS にはリードヘッドを 2 個搭載したデュアルリードヘッドバージョンもあり、デュアルタレット/ラムの機械に有効な場合があります。両方のターニングヘッドで 1 本のスケールを使用できるようになり、機械設計がシンプルになるからです。

高い精度、熱変位補正、高い振動耐性と耐環境性能、そして 4.24m にまで拡大した最大測定長。FORTiS は大型機に理想的な特徴を備えたエンコーダです。

大型 CNC 旋盤とミーリング機

パーツ公差の一層の厳格化が求められる中、機械メーカーによるフルクローズループの位置決めシステムの採用が増えています。フルクローズループでは、リニアエンコーダが機械の直線軸からフィードバックを直接出力するため、位置測定の精度と安定性が向上します。

FORTiS なら、工作機械が大型化しても機械そのもののパフォーマンスを損なうことがない、高い精度と信頼性を備えています。

立形旋盤立形旋盤

大型の金属ワークに対して複雑で多大な時間を要する複合加工を行う場合、1 回でミスなく加工を完了する必要があるため、CNC 機械の精度と信頼性は一層重要な意味を持ちます。この要求に効果的に応えることができるのが FORTiS です。同調質量ダンパーを内蔵しているため、重切削時に生じる激しい振動の影響を受けません。また、高分解能の位置フィードバックにより、スムーズかつ繊細な仕上げが可能になります。

FORTiS-S encoder_white background FORTiS-S クローズドタイプエンコーダ

FORTiS エンコーダの概要

FORTiS は、工作機械のような過酷な環境での使用を想定して設計した、クローズドタイプリニアアブソリュートエンコーダです。SiL2 および PLd までの機能安全仕様もご用意しております。

FORTiS は、実績豊富な RESOLUTE™ エンコーダ技術を基に設計された製品です。またさらに、液体や切り粉の侵入に優れた耐性を発揮します。本体は、長手方向に互いに重なり合うリップシールによって、そしてその両端はエンドキャップによって密閉されています。

リードヘッドはブレードを介して密封した光学ユニットと接続され、エンコーダのストロークに沿って DuraSeal™ リップシール内部を移動します。直線軸の動きにより、リードヘッドと光学ユニットが、機械的に接触することなくアブソリュートスケール (本体内部に固定) の上を往復します。

FORTiS アブソリュートエンコーダシリーズは、頑丈に設計されており、さまざまな機械的衝撃や振動への耐性に優れています。FORTiS-S エンコーダと、マウンティングスパーを用いて取り付けた FORTiS-N エンコーダは、30G までの振動に耐えることができるため、過酷な環境や要件の厳しいモーションコントロールであっても、正確な測定結果を安定して返すことができます。

FORTiS エンコーダは、本体による保護に加え、密閉性の向上によっても汚れ耐性も確保しています。リードヘッド自体 (本体内を移動する) が密封されており、液体や切り粉などの侵入が防止されています。

また、FORTiS エンコーダの本体の密閉性を高めたことでエアパージのエア漏れを抑えており、運用コストの低減とシステム寿命の長期化を実現しています。

FORTiS エンコーダは、BiSS C、BiSS Safety、Siemens DRIVE-CLiQ、FANUC、三菱、パナソニック、安川など、さまざまなシリアル通信プロトコルに対応しています。また、新旧問わずさまざまな競合製品と寸法とねじ穴の両方で、互換性があります。

FORTiS の取付けは簡単です。競合品の取付け方法とは異なり、外部の診断機器は別途不要です。当社が特許を保有しているセットアップ LED と、緻密な設計が施された取付け用アクセサリにより、初めて使用される方でも直感的かつ正確に取り付けることができ、スペースの限られた場所でも、従来のシステムより大幅に短い時間で取り付けられます。

最後に

コストを抑えつつ精度も高めたい。高い性能と耐久性を誇る FORTiS がそんな高まる要望にお応えいたします。低燃費の航空機や次世代自動車のギガキャスティングなど、我々の世界を形作っていくイノベーションのカギとなるのが CNC 加工プロセスです。最大測定長 4.24m がラインナップに加わった FORTiS は CNC 加工プロセスの確固たる礎として貢献していきます。

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