EVOLUTE™ アブソリュートエンコーダシステム with RTLA50 リニアスケール
機能
- シリアルインターフェース: BiSS® C、FANUC、Mitsubishi、Panasonic、Siemens DRIVE-CLiQ®、Yaskawa
- リードヘッドサイズ: 36×16.5×17.2mm
- 最高分解能 50nm (100m/s 時)
- 精度±10µm/m (20℃時)
- スケールの熱膨張率 (20℃時)10.1±0.2µm/m/℃
- サイドケーブルタイプもラインナップ
メリット
- 汚れに対する高い耐性
- 簡単取付け、安定動作
- 汎用的なパフォーマンス仕様
- 高い位置決め安定性を実現する 10nm 未満のジッタ
- スムーズな速度制御を実現する±150nm の周期誤差
- サイド取付けや反転取付け可能
- 高度診断ツールにも対応
EVOLUTE とは
EVOLUTE™ は、RESOLUTE™ にも搭載されている業界で評価を得たアブソリュート技術をベースに開発された光学式アブソリュートエンコーダです。対応スケールピッチは 50µm で、広い取付け公差と汚れに対する高い耐性、汎用的な仕様といった特徴を備えています。動かさなくても電源 ON 直後に位置を取得するため、さまざまなモーションコントロールの場面に最適です。
革新的な画像処理アルゴリズムと高い耐性を備えた光学部品によって、高い動作安定性を確保しています。また、50µm ピッチのシングルトラックスケールによって、500µm という広い取付け公差 (取付け高さ) を備えています。
100m/s の速度で分解能 50nm、周期誤差±150nm、10nm RMS 未満の超低ノイズ (ジッタ) を実現しています。
RTLA50 スケールとは
RTLA50 は RTLA と同じステンレステープスケールに 50µm のピッチの絶対位置スケールコードが刻まれたスケールです。精度は±10µm/m で、最大長は 10.02m です。取付け方法には 2 種類あります。どちらの方法でも、機材に影響されない熱膨張率を確保でき、またテープスケールのメリットを得られます。
- RTLA50 には、画期的な FASTRACK™ スケールガイドシステムを使用できます。このシステムでは、取付け穴が不要で、短時間で簡単にスケールの経路を敷設できます。位置合わせのためのスペーサを外して、テープスケールを経路に挿入します。
- RTLA50-S の貼付けには、両面テープを使用します。両面テープは、機材に影響されない熱膨張率を維持できるように製造されています。
なお、どちらのスケールタイプにしても、1 箇所をクランプ固定して基準位置を配置して、取付けを完了します。
このエンコーダシステムのメリット
トラブルシューティングとトラブル解決が簡単
高度診断ツール ADTa-100 で、EVOLUTE™ リードヘッドからさまざまなリアルタイムデータを取得できます。取得したデータは、ソフトウェアの ADT View で表示します。システムのセットアップには、リードヘッド内蔵のセットアップ LED で十分なことがほとんどですが、通常よりも取付け条件が難しい場合に高度診断ツールが有効です。また、高度診断ツールは、エンコーダパフォーマンスの確認やシステムのトラブルシューティングにも活用できます。
素早く簡単に取付け
機械の製造時間が OEM では重要です。コンポーネントの取付け時間短縮が、リードタイムの短縮、ひいては採算性の向上につながるためです。EVOLUTE リードヘッドは取付け高さが広く (0.8mm)、公差も広い (±0.25mm) ため、短時間で簡単に取り付けられます。また、内蔵セットアップ LED で取付け状態を即時確認できるため、時間のかかる微調整を行う必要がありません。この広い公差は高度な光学部品を使用していることと 2 本のトラック (インクリメンタル 1 本、アブソリュート 1 本) を使用した従来のアブソリュート測定技術を採用していないことで実現しています。そのため、ヨー方向のわずかな角度のずれによる位相ずれの問題が発生しません。
確実な動作
生産設備のユーザーにとって、ダウンタイムを抑えることが最も重要です。EVOLUTE エンコーダには機械稼働時間を確保するための、光学的汚れに対しての耐性を向上させる複数のメカニズムが実装されています。そのひとつがデジタル信号プロセッサで、カスタムイメージセンサーから取得したデータがこのプロセッサによって解析されます。また、光学イメージングシステムと連動し、普通ならエンコーダの不具合を起こすような油汚れの散乱光の影響を抑制しています。また、LED の点滅間隔は、信号強度が最適になるよう速度に合わせて調整する仕様になっています。絶対位置コードパターンに大きな冗長性を持たせているため、スケールが微粒子の汚れで部分的に隠れていても EVOLUTE は問題なく機能することが可能です。
外部インターフェースオプション
Siemens DRIVE-CLiQ 外部インターフェース
- Siemens DRIVE-CLiQ シリアルインターフェースに必要
- 高精度ロータリシステム用のデュアルヘッド入力にも対応
- 通信アラームを表示
- リードヘッド LED と同期
他のシリアルインターフェースには外部インターフェースは不要です。
高度診断ツール ADTa-100 (アクセサリ)
EVOLUTE エンコーダシステムは、高度診断ツール ADTa-100 とソフトウェアの ADT View に対応しています。取付けや診断が難しい場合に役に立つ、エンコーダのさまざまなデータをリアルタイムで取得できます。ソフトウェアのインターフェースは直感的な作りになっています。また、下記の機能が使用できます。
- リモートキャリブレーション
- 軸のフルストロークにわたる信号の最適化
- エンコーダ位置をデジタル表示 (スケールに対する相対位置)
- データのエクスポートと保存
- 原点の設定
シリアルインターフェース
シリアルインターフェース | 説明 | データシート | 対応製品 |
BiSS C | レニショーアブソリュートエンコーダは、BiSS C (単一方向) オープンプロトコルに対応しています。BiSS C は高い加速度、スムーズな速度制御、優れた繰り返し精度、確実な位置決めの安定性が求められる動性の高い軸に最適な高速シリアルインターフェースです。 | ||
FANUC | FANUC (αおよびαi) シリアルインターフェース対応の EVOLUTE は、リニアシステムとして使用できます。 EVOLUTE を FANUC コントローラ搭載の高性能の工作機械に使用することで、安定性と信頼性の高いシリアル通信、優れた輪郭制御性能、固定位置での安定性、高速性といった、多くのメリットが得られます。さらに、非接触式のため、従来の密閉式のエンコーダに見られるバックラッシュ、シャフトのねじれといったヒステリシス誤差がありません。 | EVOLUTE FANUC | N/A |
Mitsubishi | Mitsubishi シリアルインターフェース対応の EVOLUTE は、リニアシステムとして使用できます。EVOLUTE は、J4 および J5 シリーズのサーボドライバと、工作機械用の MDS-D2、DH2、DM2 および DJ ドライバに対応しています。 | N/A | |
Panasonic | Panasonic シリアルインターフェース対応の EVOLUTE は、リニアシステムとして使用できます。A5 および A6 シリーズのサーボドライバに対応しており、高分解能で繰り返し精度の高いフィードバックを返せるため、サーボ制御と速度制御が向上します。 | N/A | |
Siemens DRIVE-CLiQ | Siemens DRIVE-CLiQ シリアルインターフェース対応の EVOLUTE には、リニアシステム仕様をご用意しています (外部インターフェース必要)。Siemens DRIVE-CLiQ は、エンコーダと測定システムを SINUMERIK および SINAMICS で接続するための、革新的で高機能な通信インターフェースです。 | EVOLUTE Siemens DRIVE-CLiQ | N/A |
Yaskawa | Yaskawa シリアルインターフェース対応の EVOLUTE は、リニアシステムとして使用できます。なお、Sigma-5 および Sigma-7 SERVOPACK に対応しています。 | EVOLUTE Yaskawa | N/A |
技術仕様
対応スケール | RTLA50/FASTRACK: ガイドシステムとステンレススチールテープスケール RTLA50-S: FASTRACK を使用せずに機材に直接貼り付ける、絶対位置コードが刻まれた両面テープ式ステンレススチールテープスケール |
リードヘッドサイズ (長さ×幅×厚さ) | 36mm×16.5mm×17.2mm |
スケールピッチ | 公称 50µm |
熱膨張率 (20℃時) | 10.1±0.2µm/m/℃ |
精度等級 (20℃時) | ±10µm/m |
スケール長 | BiSS C プロトコルバージョンによっては最大長が制限されます (詳細はデータシート参照) FASTRACK: 100mm~10.02m RTLA50、RTLA50-S: 最長 10.02m |
最高速度 | (詳細はデータシート参照) 最高 100m/s |
シリアルインターフェース* | BiSS C、FANUC、Mitsubishi、Panasonic、Siemens DRIVE-CLiQ、Yaskawa |
分解能 | BiSS C、FANUC、Mitsubishi、Panasonic、Yaskawa: 500nm、100nm、50nm Siemens DRIVE-CLiQ: 50nm |
周期誤差 | ±150nm |
電気接続 | BiSS C、FANUC、Mitsubishi、Panasonic、Yaskawa: 0.5、1、1.5、3m ケーブル、D サブ 9 ピンコネクタ Siemens DRIVE-CLiQ: M12 |
電源 | 5V±10%、最大 250mA@5V (終端) |
振動 (動作時) | 最大 300m/s2@55Hz~2,000Hz、3 軸 |
衝撃 (非動作時) | 1,000m/s2、6ms、½ sine、3 軸 |
動作時温度 | 0℃~+80℃ |
防水防塵性能 | IP64 |
詳細については、データシートを参照してください。
*他のシリアルインターフェースも随時追加しています。