VIONiC™ インクリメンタルエンコーダシステム with REXM20 ロータリ (角度位置決め用) リング
機能
- リードヘッドから直接デジタル出力
- リードヘッドサイズ: 35×13.5×10mm
- 最高分解能 2.5nm*
- 最高速度 4,400rev/min
- 平均±15nm* 未満の超低周期誤差 (技術仕様を参照)
- IN-TRAC™ オプティカルリファレンスマーク
メリット
- インターフェース別途不要
- 高度診断ツールに対応
- 取付け精度±1arc 秒以下の、厚型リング
- 汚れに対する高い耐性
VIONiC とは
VIONiC は、市場で高く評価されているフィルタリング機構と信号処理機能を搭載し、高い測定パフォーマンスを有するエンコーダです。
リードヘッドから直接デジタル出力を行うのが特徴です。超低周期誤差と汚れに対する優れた耐性を実現し、追加アダプタや個別インターフェースが不要になっています。また、高い性能だけでなく、省スペース性に優れたコンパクトさも兼ね備えています。
リニア、パーシャルアーク、ロータリの各種システムを構築可能です。
また、直感的に使用できる自動キャリブレーションモードが搭載されており、簡単に取り付けられます。さらに、高度診断ツール ADTi-100 (アクセサリ) を使用してリアルタイムにエンコーダのデータを得ることもできます。
REXM20 リングとは
REXM20 は、円周に 20µm のピッチでインクリメンタル目盛りを刻んだステンレススチールリングで、IN-TRAC™ オプティカルリファレンスマークを組み込んでいます。厚めの断面設計になっているため、偏心を除くあらゆる取付け誤差を最小に抑えることができ、偏心も DSi (デュアルシグナルインターフェース) と 2 個のリードヘッドの平均値を使用することで簡単に補正できます。最高±1arc 秒の取付け後精度と、優れた繰り返し精度を備えており、結合部がないためカップリングロスの影響を受けません。REXM20 には各種サイズ (Ø52mm~Ø417mm) とラインカウントを用意しています。いずれも、内径が大きい中空構造であるため、装置へさまざまな方法で取付けできます。
さらに非接触式のため、従来の密閉式のエンコーダに見られるバックラッシュ、シャフトのねじれ、その他のメカニカルなヒステリシス誤差の影響を受けません。
このエンコーダシステムのメリット
レニショーにおける最高性能の光学式インクリメンタルエンコーダ
VIONiC は高速動作と高分解能を兼ね備えたエンコーダです。高度な内挿分割チップを内蔵し、分解能 2.5nm を達成しています。あらゆる場面で高い精度と繰り返し精度を発揮できます。最高クロックレートは 50MHz で、最高速度 12m/s での動作が可能です。分解能 0.1µm では 3.63m/s が可能で、要求が厳しい製造プロセスに理想的です。
トラブルシューティングとトラブル解決が簡単
取付けが難しい場合や現場でのトラブルシューティング用に、エンコーダのリアルタイムデータを取得できる高度診断ツール ADTi-100 と ADT View ソフトウェアをご用意しています。リードヘッドが機械に隠れている場合に非常に便利で、機械を止めずに診断することも可能になります。またソフトウェアは直感的に使用できるインターフェースになっています。
- リモートキャリブレーション
- 軸のフルストロークにわたる信号の最適化
- リードヘッドピッチの表示
- リミットおよびリファレンスマーク位置の表示
- エンコーダ位置をデジタル表示 (スケールに対する相対位置)
- 時間 v.s. 速度グラフのモニタリング
- データのエクスポートと保存
非常に高い取付け精度
REXM20 に 2 個の VIONiC リードヘッドと VIONiC DSi (デュアルシグナルインターフェース) を使用することで、結合部の信号損失の排除、優れた繰り返し精度と±1arc 秒以下の取付け精度を確保できるため、角度位置決め精度を極限まで高められます。REXM20 は、偏心以外のあらゆる取付け誤差を低減するために、断面を厚くしています。残る偏心は 2 個の VIONiC リードヘッドの出力を組み合わせることで簡単に補正できます。DSi により偏心が排除されても、目盛誤差と周期誤差が残りますが、いずれもごくわずかです。
DSi (Dual Signal interface: デュアルシグナルインターフェース)
DSi は、REXM20 リング (パーシャルアークは REXT20 リング) に取り付けた 2 個の VIONiC リードヘッドのインクリメンタル信号を組み合わせて、ベアリングの振れによる影響を補正し、偏心などのハーモニックエラーを除外するインターフェースです。取付け誤差を平均±2.0arc 秒に抑えます。
高度診断ツール ADTi-100 (アクセサリ)
VIONiC エンコーダシステムは、高度診断ツール ADTi-100 とソフトウェアの ADT View に対応しています。取付けや診断が難しい場合に役に立つ、エンコーダのさまざまなデータをリアルタイムで取得できます。またソフトウェアは直感的に使用できるインターフェースになっています。
- リモートキャリブレーション
- 軸のフルストロークにわたる信号の最適化
- リードヘッドピッチの表示
- リミットおよびリファレンスマーク位置の表示
- エンコーダ位置をデジタル表示 (スケールに対する相対位置)
- 時間 v.s. 速度グラフのモニタリング
- データのエクスポートと保存
技術仕様
対応スケール | REXM20: 超高精度ステンレススチールリング REXT20: パーシャルアーク用 |
リードヘッドサイズ (長さ×厚さ×幅) | 35mm×13.5mm×10mm |
スケールピッチ | 20µm |
熱膨張率 (20℃時) | 15.5±0.5µm/m/℃ |
リング外径 | 52mm~417mm |
ラインカウント | 8,192~65,536 (リングサイズに依存) |
リファレンスマーク | REXM20: 1 個の IN-TRAC リファレンスマークを配置 REXT20: パーシャルアーク用に 2 個のリファレンスマークを配置 |
取付け精度 (2 個のリードヘッドを使用時) | (直径≥100mm) ±1arc 秒 (直径 75mm) ±1.5arc 秒 (直径≤57mm) ±2arc 秒 |
最高速度 | 4,400rev/min (直径 52mm のリングの場合) (詳細はデータシート参照) |
周期誤差 | リング直径 135mm 以下の場合: 平均±20nm 未満 リング直径 135mm 超の場合: 平均±15nm 未満* |
動的信号制御 | オートゲインコントロール、オートバランスコントロール、オートオフセットコントロールなどのリアルタイム信号適正化処理 |
インクリメンタル信号 | 分解能 5µm~2.5nm (角度分解能の詳細はデータシート参照) |
電気接続 | ケーブル長 0.5m、1m、1.5m、3m、5m、10m: D サブコネクタ (9 および 15 ピン) |
電源 | 5V-5%/+10% |
振動 (動作時) | 最大 100m/s2@55Hz~2,000Hz |
衝撃 (非動作時) | 500m/s2、11ms、½ sine、3 軸 |
動作温度 (システム) | 0℃~+70℃ |
防水防塵性能 | IP40 |
*<±10nm の周期誤差は、セットアップが最適な場合の値です。詳細については、レニショーまでお問い合わせください。
詳細については、データシートを参照してください。