ラマン分光を使った半導体の分析
現代の電子機器には、さまざまな半導体材料が使用されています。トランジスタ、太陽電池、発光ダイオードなどの最先端デバイスは、材料特性を極限まで追及されており、きわめて均質な素材が必要とされています。ラマン分光は、半導体の研究に最適なツールです。
半導体の特徴の把握
ラマンを使用すると、あらゆる半導体 (Si、カーボンベース、III-V 族、ポリマーなど) や超伝導体の特徴把握やイメージ生成が可能です。下記に挙げるような、広範な情報を解明できます。
- 化学的組成 (化合物半導体の合金の割合率など)
- ポリタイプ (4H-SiC や 6H-SicC など)
- 歪み/応力
- ドーパント濃度
- 薄膜の膜厚
- 結晶構造のタイプと配向
- 結晶品質
- 均一性と純度
- デバイス温度
簡単な分析
ラマン分析は、サンプルの準備が不要なので非常に簡単です。また、真空技術や、電子顕微鏡に付きまとう電荷の影響に悩まされることもありません。
レニショーでは、科学研究者から技術者まで、あらゆるユーザーに合うラマンシステムを用意します。
広い領域の分析
レニショーのラマンシステムは非常に大きなサンプルでも分析可能です。例えば、ウェハ全体のイメージを生成して、異物や残留応力を確認できます。
PL の特徴を把握
レニショーのラマンシステムでは、フォトルミネセンス分光 (PL) のスペクトルの取得および分析も可能です。システム 1 台で振動情報と電子情報の両方を収集できます。
オンラインシステム
レニショーのラマンシステムを製造ラインに追加することで、品質保証のためのオンライン分析を行うことが可能です。問題を早期に診断し、無駄を低減し、歩留まりを改善します。
信頼性の高い結果
レニショーのラマンシステムからは、サンプルを正確に表現する再現性の高いデータが得られます。さらに、内蔵の自動校正とヘルスチェック機能により、いつ収集したデータでも、正確に比較できます。
SiC ウェハの 3D ラマンマップ
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