RESOLUTE™ アブソリュートエンコーダシステム with RSLA30 リニアスケール
機能
- シリアルインターフェース: BiSS® C、FANUC、Mitsubishi、Panasonic、Siemens DRIVE-CLiQ®、Yaskawa
- リードヘッドサイズ: 36×16.5×17.2mm
- 最高分解能 1nm (100m/s 時)
- 精度±4µm (5m、20℃時)
- 熱膨張率 (20℃時): 10.1±0.2µm/m/℃
- 真空対応タイプとサイドケーブルタイプもラインナップ
メリット
- 高精度スケール
- 優れたモーションコントロール性能
- 汚れに対する非常に高い耐性
- 広い取付け公差
- 高い位置決め安定性を実現する 10nm 未満のジッタ
- スムーズな速度制御を実現する±40nm の周期誤差
- 高度診断ツールにも対応
RESOLUTE とは
RESOLUTE は、汚れに対する高い耐性と優れた仕様を備えた、真のアブソリュートファインピッチ光学式エンコーダシステムです。最高速度 100m/s で 1nm の分解能を実現した、世界初のアブソリュートエンコーダです。
周期誤差とジッタが非常に低いため、同等クラスの他のエンコーダよりもはるかに優れたリニアエンコーダシステムを実現します。
RSLA30 スケールとは
RSLA30 は、30µm のピッチの絶対位置スケールコードが刻まれたステンレススチールスケールで、長さ 5m で±4µm 以内の精度 (勾配とリニアリティを含む) という、ファインピッチのガラススケールに匹敵する性能を備えています。リール巻き式のため、保管と取扱いが簡単で、伸ばしてスケールとして使用します。
ニーズに合わせて、専用両面テープ取付けか機械式クリップ取付けを選択できます。どちらの取付け方式でも、機材に影響されない熱膨張率を維持できます。
このエンコーダシステムのメリット
トラブルシューティングとトラブル解決が簡単
高度診断ツール ADTa-100 で、RESOLUTE™ リードヘッド (ADT マーク付き) からさまざまなリアルタイムデータを取得できます。取得したデータは、ソフトウェアの ADT View で表示します。システムのセットアップには、リードヘッド内蔵のセットアップ LED で十分なことがほとんどですが、通常よりも取付け条件が難しい場合に高度診断ツールが有効です。また、高度診断ツールは、エンコーダパフォーマンスの確認やシステムのトラブルシューティングにも活用できます。
優れたモーションコントロール性能
RESOLUTE は、最先端の信頼性が高く、画期的な動作方法によって業界トップクラスのパフォーマンスを実現しています。30µm のスケールピッチ、およびシングルトラックの繰り返しのないバーコードスケール方式が採用されています。このスケールイメージが RESOLUTE リードヘッドによって一瞬で取得され、取得したイメージが分析されることで、最高 100m/s の速度で厳密な位置の特定ができるようになっています。低いノイズ (ジッタ 10nm 未満) とわずか±40nm の周期誤差で、1nm (1m の 10 億分の 1) という微小な分解能の位置決めが可能です。エンコーダから非常に細かいフィードバックを得ることができ、スムーズな速度制御と安定した位置決めが実現します。
広い取付け公差
RESOLUTE は、2 本のトラック (インクリメンタル 1 本、アブソリュート 1 本) を横に並べて配置する従来の方法を採用していないため、ヨー方向のわずかな角度のずれによる位相ずれの問題が発生しません。絶対位置と位相情報を 1 点のコードにまとめた、単一トラックの光学式アブソリュートスケールを採用することで、広い取付け公差 (ヨー公差±0.5°) を実現しています。短時間で取り付けでき、また、軸が静止する場合でも動く場合でも長期にわたって優れた信頼性を確保しています。さらに、取付けの精度を簡単に診断するためにセットアップ LED がリードヘッドに組み込まれています。
外部インターフェースオプション
Siemens DRIVE-CLiQ 外部インターフェース
- Siemens DRIVE-CLiQ シリアルインターフェースに必要
- 高精度ロータリシステム用のデュアルヘッド入力にも対応
- 通信アラームを表示
- リードヘッド LED と同期
他のシリアルインターフェースには外部インターフェースは不要です。
高度診断ツール ADTa-100 (アクセサリ)
RESOLUTE エンコーダリードヘッド (ADT マーク付き) は 高度診断ツールと ADT View ソフトウェアに対応しています。取付けや診断が難しい場合に役に立つ、エンコーダのさまざまなデータをリアルタイムで取得できます。ソフトウェアのインターフェースは直感的な作りになっています。また、下記の機能が使用できます。
- リモートキャリブレーション
- 軸のフルストロークにわたる信号の最適化
- エンコーダ位置をデジタル表示 (スケールに対する相対位置)
- データのエクスポートと保存
- 原点の設定
シリアルインターフェース
シリアルインターフェース | 説明 | 対応製品 |
BiSS C | レニショーアブソリュートエンコーダは、BiSS C (単一方向) オープンプロトコルに対応しています。BiSS C は高い加速度、スムーズな速度制御、優れた繰り返し精度、確実な位置決めの安定性が求められる動性の高い軸に最適な高速シリアルインターフェースです。 | |
FANUC | FANUC (α および αi) シリアルインターフェース対応の RESOLUTE には、リニアシステムとロータリシステムのどちらの仕様のものもご用意しています。 | 該当なし |
Mitsubishi | Mitsubishi シリアルインターフェース対応の RESOLUTE には、リニア仕様とロータリ仕様をご用意しています。RESOLUTE は、J4 および J5 シリーズのサーボドライバと、工作機械用の MDS-D2、DH2、DM2 および DJ ドライバに対応しています。 | 該当なし |
Panasonic | Panasonic シリアルインターフェース対応の RESOLUTE には、リニアシステムとロータリシステムのどちらの仕様もご用意しています。A5 および A6 シリーズのサーボドライバに対応しており、高分解能で繰り返し精度の高いフィードバックを返せるため、サーボ制御と速度制御が向上します。 | 該当なし |
Siemens DRIVE-CLiQ | Siemens DRIVE-CLiQ シリアルインターフェース対応の RESOLUTE には、リニアシステムとロータリシステムのどちらの仕様のものもご用意しています (外部インターフェース必要)。Siemens DRIVE-CLiQ は、エンコーダと測定システムを SINUMERIK および SINAMICS で接続するための、革新的で高機能な通信インターフェースです。 | 該当なし |
Yaskawa | Yaskawa シリアルインターフェース対応の RESOLUTE は、リニアシステム仕様とロータリシステム仕様の両方をご用意しています。なお、Sigma-5 および Sigma-7 SERVOPACK に対応しています。 | 該当なし |
詳細については、データシートを参照してください。
技術仕様
対応スケール | 絶対位置コードの高精度ステンレススチールスケール |
リードヘッドサイズ (長さ×幅×厚さ) | 36mm×16.5mm×17.2mm |
スケールピッチ | 公称 30µm |
熱膨張率 (20℃時) | 10.1±0.2µm/m/℃ |
精度等級 (20℃時) | ±1.5µm (1m まで)、±2.25µm (2m まで)、±3µm (3m まで)、±4µm (5m まで)(勾配とリニアリティを含む)。校正は国際基準に対してトレーサブルです |
スケール長 | BiSS C プロトコルバージョンによっては最大長が制限されます (詳細はデータシート参照) 80mm~5m |
最高速度 | (詳細はデータシート参照) 最高 100m/s |
シリアルインターフェース* | BiSS C、FANUC、Mitsubishi、Panasonic、Siemens DRIVE-CLiQ†、Yaskawa |
分解能 | BiSS C: 50nm、5nm、1nm FANUC、Mitsubishi、Siemens DRIVE-CLiQ†: 50nm、1nm Panasonic: 100nm、50nm、1nm Yaskawa: 50nm、1nm |
周期誤差 | ±40nm |
電気接続 | 最大ケーブル長 10m。D サブコネクタ (9 ピンまたは 15 ピン)、フライングリード、FANUC 互換コネクタ、LEMO、M12 |
電源 | 5V±10%、最大 250mA@5V (終端) |
振動 (動作時) | 最大 300m/s2@55Hz~2,000Hz |
衝撃 (非動作時) | 1,000m/s2、6ms、½ sine |
動作時温度 | 0℃~+80℃ |
防水防塵性能 | IP64 |
詳細については、データシートを参照してください。
*他のシリアルインターフェースも随時追加しています。
†Siemens DRIVE-CLiQ の仕様については、データシートを参照してください。