全自動ラマンイメージングとラマン分光
レニショーの全自動ラマン装置は複数のユーザーが作業する研究室での使用に理想的な装置です。ワンクリックで測定の設定を変更してその時々で最適な測定を実施できます。また、測定をテンプレートとして保存して、流用することもできます。
レニショーラマンシステムはリモート制御可能で、ラマンデータには世界のどこからでもアクセスできます。また、レニショーからラマンシステムのリモートサポートも提供しております。
ワンクリックでラマンシステムの構成を切替え
レニショーのラマン装置は、エキスパートでなくてもご利用いただける設計になっています。装置の設定をワンクリックで切り替えることができるため、顕微鏡モードとラマンモードを行き来する際に光学部品を手作業で調整する必要がありません (マイクロスコープの照射モード (明視野、暗視野、偏光など)、レーザー波長、フィルタ、回折格子など)。WiRE に各コンポーネントの位置が保存されるため、ワンクリックでの切替えが可能なのです。
EasyConfocal™ を使った共焦点ラマン分光
inVia™ コンフォーカルラマンマイクロスコープでは、EasyConfocal™ を使って高い空間分解能を達成しています。EasyConfocal は 1D データ、2D イメージ、3D イメージを高い空間分解能で生成する実証された手法です。位置合わせが困難なピンホールを使用せずに、優れた共焦点性能を得ることができます。EasyConfocal では、ラマン測定の共焦点サンプリング空間を完全に自動で制御できます。以下の切替えが可能です:
• 標準モード (一般的なイメージングや分析に使用)
• ハイコンフォーカルモード (3D イメージングや複層材料の深さ分析に使用)
コンフォーカルラマンマイクロスコープでは、検出器の前に開口部を適宜配置することでサンプリング空間を制御します。開口部によって、サンプリング空間から照射される光のうち、焦点がずれた光と軸から外れた光が除外されます。EasyConfocal はピンホールを使わず、物理的な開口部 (入射スリット) とソフトウェア的な開口部 (CCD の取得したイメージの高さ) の 2 個の開口部を持つことで高い空間分解能を達成しています。散乱光に対して効果的な空間フィルタとして機能し、ピンホールを使った従来式マイクロスコープに匹敵する空間分解能を達成しています。
従来のピンホール方式に比べてメリットがあります。紫外可視範囲全域で共焦点性を完全に確保できるのが EasyConfocal です。ピンホールの位置調整や焦点調整も不要です。ソフトウェアでワンクリックするだけで、処理を自動で最適化できます。
自動アライメント/キャリブレーション機能付きラマンマイクロスコープ
レニショーのラマンシステムには自動アライメント機能と自動キャリブレーション機能が搭載されています。WiRE を介して実行します。加えて、光学系の移動の制御にエンコーダが採用されているため、非常に安定した空間精度と感度を誇ります。正確かつ再現性の高いスペクトルを取得できます。
inVia™ コンフォーカルラマンマイクロスコープは、内蔵されたシリコンサンプル (Si) を使ってラマンシフトを日常的にキャリブレーションします。また、自動アライメントによって分光計のスリット位置と CCD 検出器のエリアが最適化されます。
RA802 製薬用分析装置と RA816 生物学用分析装置には、Performance Qualification (PQ) が組み込まれています。シリコン上で自動アライメントとスペクトルオフセットのキャリブレーションを行う処理です。
複数ポイントからの自動ラマン収集
WiRE では複数のポイントからまとめてラマンデータを取得できます。夜間に無人で測定することもできるため、ラマン装置を最大限まで活用し、ラボの生産性を向上できます。産業分野での品質管理や異物分析において、生産性の向上は欠かせません。
WiRE のバッチ測定機能は、inVia、RA802 そして RA816 で使用できます。バッチ測定を行うことで同じラマン測定を指定した複数のポイントで繰り返し行うことができるため、同一の状態の錠剤や生体組織をサンプリングすることで統計学的に有意なデータを取得することができます。詳細については、プロダクトノート「WiRE を使った自動データ収集と解析」をご覧ください。
リモート診断およびリモートサポート
問題が起きた場合には、レニショーエンジニアによるリモートサポートが可能です。リモートでアライメントを最適化したり、お客様のラマン装置が適切に動作するか検証したりいたします。