ラマン分光用 CCD 検出器
低ノイズ CCD 検出器を使った高感度分光
難しい分光測定にでも inVia™ コンフォーカルラマンマイクロスコープが対応できる背景には、Centrus 検出器の存在があります。Centrus 検出器は熱電冷却電荷結合素子 (CCD) 検出器です。高い量子効率と極めて低い読取りノイズで、極めて弱いラマンバンドでも検出が可能です。
inVia は、最高で 4 台の検出器 (背面照射型、電子倍増型など) を搭載することができます。ご興味のある方はお問い合わせください。
ラマンイメージングのための超高速読取り
レニショーの超高速ラマンイメージングを支えているのが Centrus 検出器です。また、化学反応を分析するための高速時系列測定も可能にしています。レニショー特許取得の電子設計が施されている Centrus 検出器は最速 2MHz の読取り速度を誇り、1800 スペクトル/秒を超える速度でのスペクトル収集を実現します。
UV から IR までのラマン分光
Centrus 検出器 1 台で、229nm~830nm の励起レーザーからラマンスペクトルと PL スペクトルを収集できます。CCD 検出器は深紫外線 (DUV) から近赤外線 (NIR) という幅広い波長範囲で高い検出効率を誇り、inVia の広いスペクトル範囲を実現する基幹要素のひとつです。
可視範囲の高い蛍光バックグラウンドを持つ有色サンプルに対しては、1064nm の励起レーザーがラマンバンドの取得に有効です。長い赤外線波長に適した InGaAs 検出器搭載の inVia マイクロスコープをご利用ください。
PL 特性を示す、SiC の広帯域スペクトル。スペクトル範囲は 400nm~1000nm 以上。このスペクトル範囲は 10,000cm-1 で、可視の青色波長から赤外線超まで。John Steeds 博士と Geraint Evans 博士によるデータ提供。
完全なラマンスペクトルのための拡張スキャニング
Centrus 検出器は SynchroScan™ に対応しています。SynchroScan は、幅広いスペクトル範囲から連続スペクトルを高いスペクトル分解能で簡単に収集できる技術です。低分散の回折格子を使わなくてもスペクトル範囲を広げることができます。
以下のような状況で特に有効です。
•ポリマーや薬剤の結晶多形といった類似材料の区別
正確に区別するには、指紋の領域 (<1500cm-1) のラマンバンドを含むまでラマンスペクトルを広げる必要があります。また、ラマンスペクトルに CH2 と CH3 ストレッチングモード (2800cm-1~3300cm-1) を含める必要があります。
•SiC などの半導体材料から得た PL スペクトルに含まれる幅がある形状とシャープな形状の両方の分解
フォトルミネッセンス (PL) では、半導体材料の電子特性や不具合の有無を調べることができ、このような調査ではナノレベルのスペクトル範囲が求められることが少なくありません。532nm の inVia™ なら、SynchroScan で最大 10,000cm-1 のスペクトル範囲をカバーできます。
SynchroScan では、回折格子の段階的な回転を検出器の読取りと同期させる方式 (特許取得済み) が採用されています。回折格子が回転すると、検出器にあたる光が線分散の方向に移動します。この動きに合わせて信号も次のピクセルに動きます。信号が Centrus 検出器のエッジに到達したら、スペクトルの次のポイントがソフトウェアによって記録されます。詳細については、Journal of Raman Spectroscopy, Vol. 26, 777-783 (1995) (C. Dyer & B.J.E. Smith) をご覧ください。
レニショーの革新技術の多くは、特許により保護されています。