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ALIO のナノモーションシステムのナノの世界で、レニショーのエンコーダが大幅なパフォーマンス向上とコスト低減を実現

バイオメディカル、半導体、太陽光発電アプリケーションのナノモーションステージで定評を取る ALIO Industries では、レニショーのエンコーダを活用して、True Nano™ モーションシステムソリューションの駆動に必要な精度と繰返し精度を確保しています。

米国コロラド州ウィートリッジ – ALIO Industries の CEO、Bill Hennessey 氏は、ナノ単位のモーションが大きな影響を持つ世界で活動しています。実際、ナノメーターの単位に執着する彼は、単なる平面上の精度では不充分だと唱えます。彼の経営する ALIO Industries は、マイクロリソグラフィー、光ファイバー、医療デバイス、マイクロ工作機械、地理情報学、太陽光発電、半導体など、ナノレベルの製造と研究アプリケーション用の超高精度オートメーションステージの設計と製造を手がけています。1 ミクロンのミスアライメントでも許されないナノ単位のこの世界では、レニショーのエンコーダが ALIO の True Nano™ と 6-D Nano Precision™ モーションシステムのパフォーマンスを確立する上で大きな役割を果たしています。Hennessey 氏によれば、レニショーのスチールと Invar® 製テープスケールエンコーダが非繰返し誤差を抑え、低コストであることから、ALIO のステージの特異なアプリケーションに比類ない利点をもたらすだけでなく、コストを低減し、サイズが小さいために設計上の利点も備えているということです。ALIO は、レニショー ML10 レーザー干渉計システムによりパフォーマンスを検証して、NIST に対してトレーサブルな計測データを提供しています。

ALIO モーションシステムの精度を確保する上で、最初の手順は精度のメカニズムについて考えることです。(ALIO とは「新しい方向性」を意味するラテン語です)。Hennessey 氏によると、「精度と繰返し精度」は平面上の位置決めソリューションに関連する要因ですが、垂直度、ロール、ピッチ、ヨーについても検討すべきだということです。「我が社では 2 次元ではなく 6 次元で考えています」と彼は説明します。「精度とは、通常平面の位置を意味しますが、我が社は空間における精度を求めており、この場合には垂直度、ロール、ピッチ、ヨーが結果に影響を及ぼします。エンジニアの中にも、平面の点で優れた繰返し精度が得られている場合でも、軸の自由度のために「空間のポイント」のミスアライメントが発生するということを理解していない人が数多くいます。我が社の設計と製造の目標は、真直度、平面度のナノ精度を確立し、軸のロール、ピッチ、ヨーを排除することです。我が社は常にこれを目標にしていますが、実際にはこれを極めることは不可能であるため、その実現に全力を挙げるのみです。」

2 次元から 6 次元のナノ精度へ

RSS 画像: ALIO Industries のナノモーションステージ - True Nano™ モーションステージと TONiC 光学式エンコーダ。同社では、この種の思考から、2 つの特許を取得し、4 つの特許を出願中です。最近では、2 次元ではなく 6 次元の世界であることを一般に示すために、「6-D Nano Precision」(6 次元のナノ精度)という用語を商標登録し、一般的な 2 次元ではなく ALIO 独自の 6 次元のアプローチを使用していることを明確にしようとしています。「6-D Nano Precision™ では、平面の繰返し精度と精度以上のものを追求しています」と Hennessey 氏は説明しています。「これは形状をつなぎ合わせるときに、カメラまたはプロセスでミクロン単位の確認を行う必要がある場合に非常に重要になります。この場合、例えばレンズのような一部の製品に起伏があるため、モーションシステムのピッチが上がったり下がったりしていると、必要な計測データが得られないため、6 次元の要因が大きくものをいいます。」

ナノ分解能ステージ

ALIO の主要製品は、各種の連続した力学構造における独立型モーションシステムまたは積み重ね可能な軸用のナノ精度リニアステージとロータリーステージです。これらのステージは、大気クリーンルームと真空環境におけるエンドユーザと OEM アプリケーション用のものを用意しています。一般的な 200mm のステージは、TONiC エンコーダと一緒に使用した場合に、高精度クロスローラーベアリングで平面度と真直度 1 ミクロン未満、±30nm を下回る繰返し精度を発揮します。TONiC エンコーダを装備した True Nano エアベアリングシステムは、±25nm を下回る繰返し精度、優れた剛性、アプリケーションに合わせて選択できる速度 1 ミクロン/秒から 1m/秒の速度を備えています。そのアプリケーション(サイドバーを参照)には、ナノ計測技術、FPD、インクジェット噴射、ソーラースクライブ、レーザー加工などが挙げられます。

真のナノ精度の達成に貢献する TONiC 光学式エンコーダ

ALIO では、2001 年の製造開始時から各種モデルのレニショーエンコーダを使用してきました。「真のナノ精度を達成する上でエンコーダが非常に重要な要因になりますが、レニショーの基本的なテープスケールと Invar スケールが持つ繰返し精度と精度は他に匹敵するものがありません」と Hennessey 氏は付け加えます。ALIO では現在、TONiC™ 光学式エンコーダを頼みの綱としています。TONiC 光学式エンコーダは、デリケートなファインピッチエンコーダシステムの精度を取り付けが容易で頑丈なパッケージングで提供しています。コンパクトなリードヘッド(長さ 35mm ×幅 13.5mm ×高さ 10mm)は優れた設計とアプリケーションにおける柔軟性を兼ね備え、マイクロ製造システムに簡単に取り付けることができます。TONiC はリニアとロータリーエンコーダがあり、最大 10m/s(0.1µm の分解能では 3.24m/s)の速度、1nm という高い分解能を備え、最大 70℃までで操作することができます。

TONiC は、非常に優れたシグナル/ノイズ比を持つ革新的な光学部品に動的信号処理を組み合わせて、サブディビジョナルエラー(SDE)とジッタを極めて低く抑えることにより、細かなピッチのスケールに匹敵するパフォーマンスを実現します。

さらに、リードヘッド内蔵の 2 つの LED により、セットアップと取付状況診断を短期間で簡単に実行できます。TONiC は、自動位相 IN-TRAC™ オプティカルリファレスマークを搭載し、レニショーの業界標準の新型ゴールドステンレススチールと Invar スケールをはじめとする各種リニアスケールとロータリースケールを読み取ることができます。内蔵デュアルリミットも用意しているため、ユーザが軸末端の位置を選択することができます。

ALIO ステージは既存の客先コントローラとインターフェースを結ぶことができますが、Hennessey 氏は、モーションコントローラがエンコーダのフィードバックを高速処理する上で、モーションシステムの能力を最適化することにより最高のパフォーマンスを実現しているといいます。ALIO は、アプリケーションに応じて、主としてリニアサーボモーター、トルクモーター、ボイスコイルに加え、一部のセラミックサーボモーターを製品に使用しています。

「真のナノ精度を達成する上でエンコーダが非常に重要な要因になりますが、レニショーの基本的なテープスケールと Invar スケールが持つ繰返し精度と精度は他に匹敵するものがありません」と Hennessey 氏は付け加えます。

ALIO Industries (USA)

平行地理情報学、Nano Z および平面エアベアリングシステム技術

ALIO は現在、空間における 6 次元ポイントに対する経路と速度のナノ精度を保証する前進/逆行力学構造を備えた、ヘキサポッドと呼ばれる平行運動力学システムに関連して 2 つの特許を取得しているだけでなく、Nano Z™ と平面エアベアリングシステム関連の 2 つの特許を出願中です。大きく開いたセンター部分を持つように設計された標準 Nano Z は、24mm の移動範囲にわたって、ピッチ、ヨー、ロールを実質的に排除し、「オプションの究極の精度」向けに校正した場合にはレニショーのエンコーダを Invar スケールと併用して 100nm を超える精度を達成します。「レニショーから繰返し精度と精度に関する最高仕様を聞いているため、この限界を追求して、予想を上回るパフォーマンスを達成するよう努力しています」と Hennessey 氏は話します。

サイドバー:独自のマスクレスリソグラフィーアプリケーション向けにステージを提供する ALIO

米国フロリダ州セントピーターズバーグの Intelligent Micro Patterning(IMP)は、マスクレスリソグラフィーシステムの SF-100 ラインに ALIO の 4 軸ソリューションを使用して、従来の平面にメソケール形状のパターンを描いているたけでなく、平面以外のカーブした基板に形状を描くための独自の能力を確保しています。IMP は、南フロリダ大学の David Fries 博士のスマートフィルター技術の研究から誕生した企業です。Fries 博士がスマートフィルター技術を開発するまでは、シリコン以外の非平面材にパターンを描くための商業的処理システムが存在しませんでした。2001 年、Fries 博士は軍需品、医療、研究など様々な分野の各種アプリケーションにスマートフィルター技術と米国で取得した 5 つの特許技術を活用すべく、Jay Sasserath 博士と協力して IMP を設立しました。このシステムの独自の医療アプリケーションでは、製薬材料をステントに描いています。

「湾曲した基板にマスクレスリソグラフィーを行うのは、私たちが開発した独自の技術です」と IMP の CEO、Sasserath 博士は説明します。「アークタイプの光源を使用するスマートフィルター技術は、コストとスループット上の利点も提供しています。」Sasserath 博士によると、IMP の顧客の三分の二は大学の研究プログラムに関与する研究者で、残りの三分の一は、バイオテクノロジー、マイクロ流体技術、MEMS アプリケーションに IMP のマスクレスリソグラフィーシステムを使用する研究開発企業だといいます。研究者は IMP のマスクレスリソグラフィーシステムを使用することで、コスト効果に優れた手段で短時間に多くの設計を試すことができます。「私たちは、製造分野ではなく、研究開発をニッチ市場にしています」と Sasserath 博士は続けて説明します。「研究開発分野で最も重要なのは、様々な設計を短時間で実現できることと、および 1 つのウェーハ上に複数の設計を再現できることです。これにより、コスト効果に優れた手段でデザイン構成をテストし、得られた証拠に基づいて確認を行うことができます。」フォトマスクを使用した以前の手法では、毎回 1 千ドルのコストをかけて 3 ~ 4 回の設計検証を行う必要があり、期間も数時間単位ではなく、数日間単位になります。「私たちのシステムを使用すると、ユーザーは朝設計して、午後には製造に取り掛かることができます」と Sasserath 博士は説明します。

ALIO のステージを使用することで、IMP は財務上の利点も享受しています。「ALIO から購入するステージは、以前に使用していたステージよりパフォーマンス仕様が優れているにもかかわらず、値段はかなり下回っています」と Sasserath 博士はいいます。「私たちのシステムでは、ステージがシステムパフォーマンスの鍵になるため、一番高額なサブアセンブリーで 。ステージを正確に動かせることと、手頃な値段であることが非常に重要になります。」

スマートフィルター技術は、同社独自のマイクロ光学技術を使用して、フォトマスクを使用しなくても、クオーツ、セラミック、金属、プラスチックなど、各種基板にマスターイメージを投射します。IMP の SF-100 システムのラインは個々のイメージを基板に描いてから、それをつなぎ合わせて大きな型を描いたり、1 つの基板に複数の型を描きます。ステージの役割は、イメージの位置合わせを制御することであるため、このつなぎ合わせの段階で非常に重要になります。「ALIO のステージを使用すると、ミクロ単位の形状を、100mm × 100mm を超える大きな領域につなぎ合わせることができます」と Sasserath 博士は説明します。「この継ぎ目が非常に正確であるため、400 倍の倍率でも継ぎ目とはわからず、非常に高い信頼性を発揮しています。各ステージはカスタム化をする必要もなく、そのまま使用できるため、現場でもこれまで何の問題もなく使用しています。」