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エアベアリング生産のレベルアップ

エアベアリングスピンドルはその用途が拡大している。その理由は、極めて精密な寸法公差および微細表面仕上げを可能にする現代の工作機械の能力によるところが大きい。しかし、このような高能力からの成果を得るためには、長時間にわたる段取り作業が伴い、工具交換を頻繁に行うロット生産では特に時間がかかる。

成長が著しいこの業界で大成功を収めている Air Bearings 社 (英国、Dorset、Poole) では、その対策としてレニショー工具計測システムおよび主軸プローブを導入した。この導入で、コスト削減が実現しただけでなく、企業方針として掲げた品質改善にも成果が見られた。

ベーシックな製品で、大型低速スピンドル、パワフルな電動ユニット (1kW、80,000rev/min)、小型超高速スピンドル (250,000rev/min) と多岐に渡るため、製造工程での柔軟性が重要となる。ほどんどのワークは形状が円筒形だが、サイズは直径 5mm~85mm、長さ 3mm~235mm と多様だ。素材もアルミニウム、ステンレス鋼および青銅などさまざまである。

同社には Fanuc 社と Haas 社が工作機械を販売しているが、その両社それぞれが、生産性向上の手段としてレニショープローブ計測システムを推奨した。レニショープローブ計測システムの導入により、ワークセットアップにおける 2 種類の重要な作業、工具計測とワーク計測が大幅に簡素化した。

Air Bearings 社の現場管理者の John Read 氏は述べる。「最近、コスト削減策の一環として、ワークの段取り時間短縮を目的として、数種類のレニショープローブ計測システムを工作機械の多くに導入しました。

このシステムは、複数のパーツ上にデータムを作成して保存できるため、それまでワークの種類ごとにセットアップを変更しなければならなかったのが、同じ治具で複数種類のワークに対応できるようになりました。同じ治具で各ワークを寸法計測することで、企業方針である継続的な品質改善を実現しています」

Air Bearings 社加工のスピンドル

小ロット生産も大ロット生産も

Air Bearings 社が所有する Fanuc ロボドリル 4 台それぞれに、レニショー製 OMP40 主軸プローブと TS27R 工具計測システムが取り付けられている。Haas 製立形マシニングセンター VF1 にもこれらのレニショー製品が取り付けられ、4 軸機能を駆使して量産品の切削加工に対応する。OMP40 はまた、レニショー TS32S 工具計測システムとともに、Olympic Seiki 製のパレットチェンジャ搭載立形工作機械にも搭載されている。

TS27R は、汎用性と費用対効果の高い、立形機械向けの工具計測プローブだ。機械ベッドへの取付けが簡単な堅牢コンパクト設計で、Z 軸方向の工具長計測および回転工具の XY 方向半径オフセット計測に使用する。有線式の工具計測システムが取り付けられない Olympic Seiki 製のパレットチェンジャ搭載立形工作機械には、赤外線で信号の送受信を行う TS32S が使用されている。

OMP40 は、小型工作機械にうってつけのプローブであり、主にロット単位の加工時におけるワークの基準設定や寸法計測に使用されている。

生産性の向上

1993 年創業の Air Bearings 社は、優れた性能のエアベアリングスピンドルを低価格で提供する、品質に定評ある部品メーカーとして、急成長を遂げた。製品は多様な場面に使用され、同社は名誉ある英国女王賞エンタプライズ部門賞を 3 回受賞する栄誉に輝いた。

最高経営責任者である Kelly Henocq 氏は以下のように述べる。「完成したスピンドルアセンブリの多くは現在、プリント基板穴あけ用特殊加工機向けに出荷しています。最先端のこの加工機の主軸には、300,000rev/min の回転速度と、回転速度に左右されない一定の超高寸法精度 (ドリルの振れ 5µm 以下) が要求されます」

ワークセットアップの時間短縮が達成でき、複数ワークの各ロット生産で品質が改善するという、さらなる効果に Air Bearings 社は大いに満足している。機械加工の現場から競争性アップが達成でき、将来の展開への態勢は万全とみる。

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  • ケーススタディ:  エアベアリング生産のレベルアップ